アラ・アブラハミアンの銅メダルはく奪処分が、どうやら取り消しになるようです。

アラ・アブラハミアン(スウェーデン)の銅メダルはく奪は無効へ【2008年8月28日】 (日本レスリング協会)
http://www.japan-wrestling.jp/New08/496.html

アブラハミアンの主張が認められたとされていますが、どうも釈然としません。CAS(国際スポーツ仲裁機関)は、ビデオチェックが必要な場面であったのに実施しなかったのは不適切だったと指摘しています。確かにその通りではあるのですが、そもそもこの問題は準決勝での判定を巡って起きたものです。第2ピリオド終了間際に、アブラハミアンではなくミングッツィに1ポイントを与えた判定は、結局正しかったのでしょうか。

もしかしたら、「はく奪処分が取り消しになるのは、判定が間違っていたからではないか?」と考える人がいるかもしれません。しかし理由として挙げられているのが、「国際レスリング連盟(FILA)は正規の手順を行わなかった」ということだけで、判定の内容については触れられていません。

やはり判定の是非は明らかにすべきです。今さら試合をやり直すことはできないでしょうし本人も望んでいないかもしれませんが、少なくとも判定が正しかったのかどうか明らかにならない限り、この問題は決着したことにはならないでしょう。
毎度愉快な記事で楽しませてもらっている『虚構新聞』というサイトですが、まさかこんな形で利用されているとは思いませんでした。ちなみに『虚構新聞』作者さんのサイト経由で知りました。

NIE 「教育に新聞を」 変わる指導要領 アドバイザー座談会*増える「情報」の記述 環境の変化に対応を(2の1) 北海道新聞 2008年7月28日掲載
http://www.doshin-nie.com/shimen/detail/20080728/01.html
ネット検索をする際は「必ず複数の情報源に当たる」「公的な組織や新聞社のサイトを参考にする」よう指導する。あえて使うのは「虚構新聞」というサイト。新聞社のホームページに似せて作っており、中身はすべてジョークだが、グーグルなどでキーワード検索すると項目一覧のトップに表示されることもある。ネットの情報は必ずしも正しくないことを教えるのに役立つ。
「新聞だって100%信用できるわけではないよ」と言いたいところですが、それはひとまず置いておきましょう。確かにネット上では真贋定かでない話や、明らかに間違っている話も見つかります。そういった話をうっかり信じてしまうことで、恥をかいたりあるいはもっと痛い目に遭うかもしれません。書いた人の単なる勘違いである場合だけでなく、悪徳業者のように騙す意図を持っている場合もあるからです。

この記事の場合、「ネットの情報は必ずしも正しくない」という練習問題として『虚構新聞』が使われているのですね。もっともらしいことを書いてあるものの注意して読めば怪しいことに気付くでしょうし、別の情報源と比較すれば出鱈目であることがわかるはずです。その上ジョークとしても楽しめるのであれば、『虚構新聞』は非常に良い題材なのかもしれません。どうやらこの先生、なかなか洒落のわかる人のようです。

怪しい話をうっかり信じてしまうと、それを人に話すことで自分が「騙された側」だけでなく「騙す側」にもなってしまう場合があります。どちらにもならないよう、注意しなくてはなりません。
先日ここで、Yahoo!スポーツにあった北京五輪レスリングの結果の書き方がおかしいという話をしました。判定の場合に「ピリオド毎の勝者を決めて、2ピリオド獲得した選手の勝ち」というルールだから全ピリオドを通して獲得したポイントの合計を表示するのはおかしいのではないか、という内容です。
http://diarynote.jp/d/75424/20080812.html

ところがどうも、北京五輪の公式ページやFILA(国際レスリング連盟)からリンクの張ってあるページ(FILAの特設サイトでいいのかな?)を見ると、獲得したピリオドの数ではなく、獲得したポイントの合計が記されています。試合結果の記録方法としては、こちらが正式なのでしょうか?

北京五輪公式ページの場合
ttp://results.beijing2008.cn/WRM/ENG/INF/WR/C73A/WRM184202.shtml#WRM184202

FILAの場合
ttp://www.fila-wrestling.com/beijing08/index.php?option=com_competition&act=ficheMatch&style=GR&choix_poids=1310&match_num=112&choix_pays=*&id_inscrit=206456&act2=lutteur&Itemid=390

※“Total Technical points”または“Total:”と表示されているのが、全ピリオドのポイントを合計したものです。
その下の“Classification points”と“Tech.Pts”というのは「勝点」のことです。フォール勝ちで5点、2ピリオドともテクニカルフォール勝ちで4点、判定勝ちなら3点などとなっています。

Yahoo!スポーツがこれに倣ったのであれば、間違いとは言えないかもしれません。ただし、これだとルールに詳しくない人にはわかりにくいでしょう。どちらがピリオドを取ったかも明記されていないので、誤解を与える可能性もあります。ちなみに8月12日の夕方ごろに確認した時は、Yahoo!スポーツではポイントの合計を消していました。間違いではなかったかもしれませんが、紛らわしいので消した方が賢明でしょう。

ところでFILAのデータベースから北京五輪の結果を確認すると、こちらはポイントの合計ではなく、獲得したピリオドの合計で記録されています。
ttp://www.iat.uni-leipzig.de/datenbanken/dbwrest/daten.php?spid=A69E88EEE30F42038AA7B032882112C7&kaempfe=1&wkid=3CCD8E1B3E8A4C468B668010F0DAF4C0&gkl=5&spid=A69E88EEE30F42038AA7B032882112C7

“PP 1:3”“PP3:1”の後ろにある“(1:2)”や“(2:0)”のことです。

結局どちらが正しいのかわからなくなってしまいました。獲得したピリオドの数を見た方が、勝敗がわかりやすいことは確かですが。

[おまけ]
日刊スポーツの記者がルールを勘違いしていたようです。
北京オリンピック レスリング競技メモ : nikkansports.com
http://beijing2008.nikkansports.com/wrestling/memo/top-memo.html
また3点ノルマ制と呼ばれるルールがあり、3ピリオドで最低3点を獲得しないと勝者になれない。6分間で0−2で負けていても勝敗は決することなく、延長で先に3点を取れば勝者となる。
「3点ノルマ制」のルールは、現在はありません。アテネ五輪の時と勘違いをしているようです。
レスリング専門用語(日本レスリング協会)
http://jwf2007.kir.jp/nyumonn/yougo.htm#sa
3点ノルマ制 1993年1月から採用されたルール。規定の試合時間を終了した段階で3点を取っていないと、たとえポイントをリードしていたとしても(例・2−1、1−0)勝者になれない。この場合、延長戦に入り、先に3点を取った方が勝つ。3分間の延長を終了して、どちらの選手も3点を取れなかった場合は、審判団の競技で勝敗が決まる。2004年末に廃止された。


[追記]
後から気が付いたのですが、Yahoo!スポーツの書き方が正しいかどうかということよりも、「FILAの記録の仕方が、現在のルールだと適切でない」ということが問題だったようです。
本当にあったらすごいことになるかもしれないオリンピック競技いろいろ - GIGAZINE
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080820_making_the_olympics/

「ツイスターのレスリング」という画像が紹介されています。どうやって勝敗を決めるのか気になりますが、それはとりあえず置いておきましょう。

タカラトミーの販売している「ツイスター」

http://www.takaratomy.co.jp/products/twister/

よく見てみると、電光掲示板に表示されている“IBRAHIM.K”という名前に見覚えがありました。アテネ五輪のグレコローマンスタイル96kg級で金メダルを獲得したGaber Ibragim, Karam Mohammed (エジプト)です。対戦相手の“NOZADZE.R”という選手を調べてみたら、銀メダリストのNozadze, Ramaz (グルジア)でした。どうやらアテネ五輪の決勝戦の写真だったようです。

ちなみに試合は3分22秒の時点でポイントが12−1になったため、イブラヒムがテクニカルフォール勝ちしています。画像だと電光掲示板の表示が3分10秒を過ぎたくらいになっていますので、投げ技が決まって試合終了になる直前の状態だったようです。

アテネ五輪金メダリスト(日本レスリング協会)
http://jwf2007.kir.jp/Athens2004/champion/G096.htm

尚、当時のルールは今とは随分変わっています。
・試合時間が3分×2ピリオド
・10ポイント以上の差がついた時点で「テクニカルフォール」となって試合終了
・フォールまたはテクニカルフォールで決着が付かない場合は、全ピリオドを合計したポイントの多い方が勝ち
・同点なら最大3分間の延長戦を行い、最初にポイントを取った選手の勝ち
・どちらか一方の選手がポイントをリードしていても、3点以上獲得していなければ延長戦になる

すっかり忘れていましたが、3点ノルマ制なんてルールもあったんですよね。懐かしい。
2008年度の高校総体は、20日で全日程を終了しました。

しかし、競技の動画はまだまだ配信中です。競技終了から10日ほど経っていますが、ついに登山の動画も公開されました。高校総体で実施されている競技の中では珍しく知識も問われるので、筆記試験のようなものを受けている姿も見られます(天気図を作成していたようです)。

平成20年度全国高等学校総合体育大会「彩夏到来 08 埼玉総体」公式ホームページ
http://www.spec.ed.jp/soutai/

登山競技のルールについてはこちらが参考になるかと思います。
http://www1.bbiq.jp/matsuo_sac/sanan-sinsakijun.htm

ちなみに国体には「山岳」という競技がありますが、こちらは人工壁を登っていき到達した高さや完登した数を競うものであり、高校総体の「登山」とは大きく異なるようです。

チャレンジ!おおいた国体 - 競技種目の紹介
http://www.mejiron.jp/kokutai/modules/document3/#sangaku
大野病院事件の判決が出ました。「無罪」です。妥当な判決だろうと思います。

福島・大野病院医療事故:帝王切開判決 無罪に医師、安堵 女性の父、目閉じ (毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/science/news/20080820dde041040010000c.html
医師の判断に「過失」はなかった−−。全国の医療関係者が注目した「大野病院事件」で、無罪判決が言い渡された。判決の瞬間、医師の加藤克彦被告(40)は小さく息をつき、安堵(あんど)の表情を見せた。昨年1月の初公判から判決まで15回の公判すべてを傍聴した被害女性の父渡辺好男さん(58)は前かがみで目を閉じ、聴き入っていた。【松本惇、清水健二】

 福島地裁1号法廷。午前10時すぎ、スーツ姿の加藤医師が入廷。被告席に着く際、裁判長と傍聴席の遺族にそれぞれ一礼した。「被告人は無罪」。鈴木信行裁判長の声が法廷に響くと、直立不動で聴いていた加藤医師は、ほおをふくらませ、小さく息をついた。

 判決言い渡しを終えた鈴木裁判長が、最後に「これが裁判所の結論です」と述べると、加藤医師は裁判長に向かって深々と頭を下げた。検察側にも2回会釈し、表情を崩さないまま法廷を後にした。

 加藤医師は初公判から「切迫した状況でできる範囲のことを精いっぱいやった」と無罪を主張しつつ、謝罪も口にし、今年5月の最終意見陳述では「できる限り一生懸命行ったが悪い結果になり、非常に悲しく悔しい思い」と述べていた。

 一方、死亡した女性は出産後、対面した長女の手をつかんで「ちっちゃい手だね」と声をかけたという。その後胎盤剥離(はくり)を経て容体が急変し、出産の約4時間半後に死亡した。

 渡辺さんは判決を控えた今月12日、毎日新聞の取材に応じ、公判で繰り返し謝罪した加藤医師に対し「わびるなら、娘が生きている間になぜ医療の手を差し伸べてくれなかったのか。絶対許さないという気持ち」と怒りをあらわにした。

 娘の死の真実を知ろうと、医学用語をはじめ、帝王切開手術の知識を医学書やインターネットで調べ、ファイルにまとめた。医療事故を機に生活は一変し、「笑顔がなくなった」と語る。孫に「母親」を意識させたくないと、家族連れが集まる場所には連れ出さないという。

 ◇「混乱収束のため、控訴せぬように」−−日産婦理事長
 吉村泰典・日本産科婦人科学会理事長は「被告が行った医療の水準は高く、医療過誤と言うべきものではない。癒着胎盤は極めてまれな疾患であり、最善の治療に関する学術的な議論は現在も続いている段階だ。学会は、今回のような重篤な症例も救命できる医療の確立を目指し、今後も診療体制の整備を進める。医療現場の混乱を一日も早く収束するため、検察が控訴しないことを強く要請する」との声明を出した。

 ◇出産は危険伴う/再発防止へ教訓学べ
 今回の無罪判決に、関係者からは「妥当だ」「事故の教訓を生かして」など、さまざまな声が上がった。

 日本産科婦人科学会の調査によると、妊娠・出産に伴って命にかかわる緊急治療を必要とする女性は250人に1人と推計されている。調査を担当した国立成育医療センターの久保隆彦・産科医長は「一般に妊娠・出産は危険な行為であるということが知られていないが、産科医は数多くの危険な妊婦を助けてきた。有罪になれば、こうした妊婦を対象にした医療行為が否定され、産科医療の崩壊に拍車をかけるところだった。判決は極めて妥当な判断だ」と語った。

 加藤医師の支援活動をしてきた上昌広・東大医科学研究所特任准教授は「今回のような医療事故を法廷で真相究明することの限界が明らかになった。これを機に医療事故における業務上過失致死罪の適用について国民的な議論が必要。司法関係者も、医療事故に刑法を適用することの是非をもっと議論すべきだ」と話した。

 25年前に医療事故で娘を亡くした「医療過誤原告の会」の宮脇正和会長(58)は「医療界は刑事訴追への批判だけで終わらせず、この事故からリスクの高い医療行為の際には応援医師を呼ぶなどの体制を取るべきだという教訓を学び、再発防止に役立ててほしい」と訴えた。

毎日新聞 2008年8月20日 東京夕刊
当時の患者だった女性が亡くなってから約4年、被告となった医師が逮捕されてから2年半が経っていますが、出てきた答えは「医師のしたことは標準的な医療行為である」というものでした。医療行為として間違っていないのであれば、たとえ残念な結果であろうと医師を責めることなんてできません。警察と検察は、どうしてこの医師を逮捕・起訴したのでしょう。

遺族が知りたかった「真実」というのも、どうやら遺族にとっては不十分なものであったようです。この裁判での目的は、患者が亡くなったことに対する医師の責任を問うことですから、仕方ないのかもしれません。もっとも、遺族の男性が医師のことを「許さない」と言っていたことから、本当に求めているのは「医師が悪いとする結論」ではないのかという気がしてしまいます。

結局、この医師を逮捕して一体何になったというのでしょう。現場の医師に「結果が悪ければ逮捕される」という不安を与えたこと、その結果として患者側も不利益を受ける懸念が出てきたこと、そして一人の医師から2年半もの時間を奪っただけだったのでしょうか。

無罪の判決こそ出ましたが、問題はそこで終わりではありません。進行中と言われている医療崩壊をどうすれば止められるか、医療事故(ここでは過失の有無は問わない)や難しい症例での死亡が起きた場合にどう対応するべきか、といったことは考え続ける必要があるのでしょう。
男子レスリング・フリースタイルは55kg級松永共広が銀、60kg級湯元健一が銅メダルを獲得しました。

最近は女子の活躍ばかり大きく取り上げられていましたから、この2つのメダルは嬉しいですね。

どちらの階級もアテネ五輪に続いてのメダル獲得(アテネでは55kg級・田南部と60kg級・井上の2人が銅)だったり、ヘルシンキ五輪から参加した14大会連続(不参加のモスクワ五輪除く)でのメダル獲得だったり、20年ぶりの男子レスリング金メダルは逃してしまったことなどは些細なことです。

2人がメダルを獲得できたことが、素直に嬉しいです。

とにかく2人とも、

おめでとう!

でも60kg級決勝戦と、2人の表彰式も放送してほしかったなあ・・・
例のカナダから来た怪しい手紙の文章が面白かったので載せておきます。
未請求 113,000,000円支払保証小切手の件:今すぐ同封の金融譲渡書類をご返送下さい。

○○××様、あなたにご連絡を差し上げたいと思っておりました!

おめでとうございます!あなたはアカウント番号XXXXXXの単独受領者となり、113,000,000円の小切手を獲得する権利を得られました!

この手紙でご説明している通りに、郵送で迅速にご返信頂けるまであなたの賞金は保留されます。ハミルトン・ムーア&アソシエーツは、あなたが保証小切手で113,000,000円の賞金を獲得する権利を承認致しました。

○○××様、これは宝くじやコンテストのように賞金が当たるか当たらないかわからないようなものではないのです。あなたはアカウント番号XXXXXXの単独受領者であることを私は保証いたします。お支払の為に必要な同封の金融譲渡書類をご返信頂きまして、あなたが当選番号の保持者であることが確認され次第、宅急便で賞金小切手をお届け致します。

あなたの賞金請求に関する大切な詳細事項:○○××様、あなたは113,000,000円の支払いを小切手による一括払いか、全額をあなたの銀行口座に振り込みするかのいずれかの方法を選ぶことができます。

この113,000,000円の懸賞は、ハミルトン・ムーア&アソシエーツがすばらしい宝石商品の販売促進を目的に実施されるものです。このゴージャスなボーナス商品は、別便でお届け致します。○○××様、あなたは、重厚で落ち着いた輝きを放つ8mmの貝パールをあしらった純銀ピアス(洗練されたクラシックなデザインはエレガントな装いにまたは特別な方への贈り物としても重宝されるでしょう)を受け取る権利を獲得されているのです!

忘れないで下さい:これはあなたへの最終通知です。必ず7日以内にご返信下さい。ご返信頂けない場合には、113,000,000円は他の獲得資格を持つ人の手に渡ってしまいます。今日が人生最高に有益な日であることを確信しております。

 心を込めて、

 チャールズ ハミルトン シニア 経理担当管理者

 更に素晴らしいニュース!神奈川のH.Yamada様が最近¥1,025,500の賞金を獲得されました!
突っ込みどころは満載ですが、「宅急便で賞金小切手をお届け致します。」には笑ってしまいました。クロネコヤマトで届けてくれるのですね。

「宅急便」はヤマト運輸の登録商標です。
カナダからの怪しい手紙
カナダのバンクーバーにあるらしいハミルトン・ムーア&アソシエーツというところから怪しげな手紙が来ていました。何日も前に届いていたようなのですが、今日になるまで読まずに放置してありました。中身を要約すると、

 おめでとう!1億1300万円の小切手がもらえることになったよ!
 手続きが必要だから、同封した書類と手数料の5000円を一週間以内に送ってね


といった具合です。

もちろんそんな大金をもらう理由に心当たりもなければ、ハミルトン・ムーア&アソシエーツなんて名前も知りません。何やら怪しい臭いがします。

試みに「ハミルトン・ムーア&アソシエーツ」で検索してみたところ、同じ手紙を送りつけられた人が他にもいました。いつの間にか金額が216万円から1億1300万円までアップしていたようです。国民生活センターが注意を呼びかけている事例ともよく似ています。どうやら「当選商法」というもののようです。

気をつけて!最近の「当選商法」(ご注意ください)_国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/sn-20080723.html
 最近、「あなたに高額賞金が当選した」「賞金を受け取れるので手続きして」と謳い、審査料・判定料・ゲーム参加費などの名目で、3千円程度の金銭や、クレジットカード番号の返送を促すダイレクトメール(以下:DM)が送られてきたという相談が、国民生活センターや各地の消費生活センターに寄せられている。

 相談内容の類似した当選商法の相談は、2004年度1件、05年度2件、06年度3件、07年度1件と、少ないながら毎年寄せられており、今般送られてきたDMには、応募していないのに「賞金が当選しました」と、真偽定かではない話が記載されている。

 相談件数はまだ少ないものの、手口が「海外宝くじ」と類似しており、被害防止と注意喚起を目的として情報提供を行う。
見かけた方はご注意を。

ラブレター当選商法 フロム カナダ〜♪
五輪レスリング:銅メダルマットに投げつけ、はく奪処分 (毎日新聞 2008年8月16日)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080817k0000m050046000c.html
国際オリンピック委員会(IOC)は16日、北京五輪のレスリング男子グレコローマンスタイル84キロ級(14日)の表彰式で、授与された銅メダルをマットに投げつけたアラ・アブラハミアン(スウェーデン)に対し、失格とメダルはく奪の処分を決めたと発表した。順位の繰り上げは行わない。

 IOCの規律委員会は、15日にアブラハミアン本人らを呼んで聴聞会を実施。アブラハミアンは「準決勝の判定への不満が背景にあったが、五輪や他の選手に対する行為ではなかった」と弁明したという。

 これに対して規律委員会は、メダルを投げつけた行為を正当化する理由にはあたらないと判断。フェアプレーの尊重や、あらゆるデモンストレーション(示威行動)の禁止を定めた五輪憲章に違反するとして、失格とメダルはく奪の処分を上申。16日に開いたIOC理事会で承認した。

 アブラハミアンは04年アテネ五輪では銀メダルだったが、この時も決勝の判定に不満を示していた。
ニュースで流れた映像を見た限りでは、「投げつけた」よりは「置いた」と表現するほうが妥当な気がします。

それはさておきまして、アブラハミアンが不服としている判定がどのようなものであったか、調べてみました。問題になっているのは、グレコローマンスタイル84kg級準決勝第2試合の第2ピリオド終了間際の判定です。

この時の映像があったので見てみました。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm4298447
この試合の第1ピリオドは、赤のミングッツィ(イタリア)が取りました。第2ピリオドは1−1のスコアで終盤を迎えます。この時、クリンチの攻防が行われており、攻撃側がミングッツィ、防御側がアブラハミアンでした。30秒間で攻撃側がポイントを取れなかった場合、防御側の選手に1ポイントが与えられます。私が映像を見た限りでは、防御側のアブラハミアンが攻撃を防ぎきったように見えました。レフェリーも右手を上げ、青のアブラハミアンが1ポイント獲得したことを示しているように見えます(赤の選手にポイントが入る時は左手を上げる)。その結果、2−1でアブラハミアンがこのピリオドを取ったかに見えました。

ところがアブラハミアンが猛然と抗議を始めました。マット上では赤のミングッツィが勝者として手を上げられています。どうやらアブラハミアンのポイントが認められず、ミングッツィにポイントが入っていたようです。最終的なスコアを見ても、第2ピリオドは2−1でミングッツィが取ったことになっています。レフェリーはアブラハミアンのポイントとしているように見えましたが、ジャッジとチェアマンはミングッツィのポイントとしたということなのでしょう。
※レスリングの審判は、レフェリー(マット上で笛を吹く人)、ジャッジ(マットの横にある席から判定する)、マットチェアマン(マットを挟んでジャッジの反対側に座る)の3人で行う。レフェリーとジャッジの判断が分かれた場合はマットチェアマンが最終判断を下す。

どうしてアブラハミアンではなくミングッツィのポイントになったのかわからなかったのですが、どうやら試合終了の前にアブラハミアンが反則を取られたことが理由だったようです。

スカンジナビア・ニュース〜Skandinaviska Nyheter〜:レスリングのアブラハミアン、銅メダルはく奪へ「まったく後悔していない」
http://skandinaviska-nyheter.livedoor.biz/archives/900775.html
問題のシーンは、第2ピリオド。第1ピリオドを落としたアブラハミアンは、1対1で迎えたこのラウンドで、守備となるクリンチに。だが、アブラハミアンはミングッツィの攻めに持ちこたえ、得点ボードにはこのスウェーデン人にポイントが表示された。このポイントにより第2ラウンドを制したアブラハミアンはコーナーに戻り、運命の最終ラウンドの開始を待つ。だが、スイス人とキューバ人の審判は、先ほどのクリンチでアブラハミアンに何らかの反則があったと判定。よってポイントはミングッツィに与えられ、試合は突如として終了。ミングッツィが決勝進出を決めた。
激昂したアブラハミアンとレオ・ミーレリ・コーチは審判団に抗議するも、結局判定は覆らなかった。
比較的よくあるのは相手の技を防ぐために相手の腰より下を触る、あるいは脚を使って技を防ごうとする、という反則ですが、そういったことをしているようには見えませんでした。クリンチの攻防がスタートする時にレフェリーの合図よりも早く動き出してしまうケース(つまりはフライング)もありますが、それならば即座に試合が止められるはずです。(あくまでも私が見てそう思ったというだけです。見るべき人が見ればわかるのかもしれません。)

結局、アブラハミアンの反則とは何だったのでしょうか。そして、反則とした判定は妥当だったのでしょうか。世界選手権などでは微妙な判定となった場合にビデオチェックが行われていますが、今回は実施しなかったのでしょうか。IOCとFILA(国際レスリング連盟)の調査で明らかになることを期待しています。
北京五輪も甲子園もいいのですが、高校総体も忘れてはいけません。

今日からヨットが始まり、明日からは水泳(飛込み・競泳・水球)が始まります。

平成20年度全国高等学校総合体育大会「彩夏到来 08 埼玉総体」公式ホームページ
http://www.spec.ed.jp/soutai/index.html
笹本も松本も加藤も負けてしまいましたか。

フリースタイルはどうなるでしょうか。池松がやってくれるのではないかとちょっと期待してます。
グレコローマンはスタンド戦の比重が高くなる…D・ツルリハノフFILAコーチ委員長【2008年8月13日】 (日本レスリング協会)
http://www.japan-wrestling.jp/New08/560.html

グレコローマンスタイルのルールが変わるようです。
変更される可能性が高いとされているのは、現行ルールのこの部分です。
http://jwf2007.kir.jp/nyumonn/mikata.html
 試合時間は2分間3ピリオドで、ピリオド間のインターバルは30秒。各ピリオドごとに勝者が決定され、2つのピリオドを勝った選手が試合の勝者となる。したがって、片方の選手が第1、2ピリオドを連取した場合は、第3ピリオドを行なうことなく試合の勝者が決まる。

 男子グレコローマンの場合は、スタンド・レスリングとグラウンド・レスリングによって試合が進行する。各ピリオドの最初の1分間がスタンド・レスリング、続く1分間がグラウンド・レスリングで、30秒で攻守が交代する(後述)。

 各ピリオドとも、試合開始から1分が経過した時点で試合が止められ、クロス・ボディ・ロック(俵返しをする時の組み方)によるグラウンド・レスリングの攻防が行なわれる。

 スコアが同点の場合は、コイントスを行い、勝った選手が先に攻撃権を得る。ポイント差がある場合には、リードしている選手が先に攻撃権を得る。30秒で攻守が交代する

具体的にどのようなルールになるかは今のところわかりませんが、スタンド重視のルールにするようなので、開始1分からのグラウンドをなくすということなのでしょうか。

もう一つ気になったのが、次の部分です。
 同委員長は、「片方の選手が第1ピリオドを8−0で勝ちながら、その後を0−1、0−1だった場合、負けになる。8点を取った努力はどうなるのか疑問に思う」と話し、2ピリオド先取のルールにも疑問を投げかけた。「観客にとっての分かりやすさも重要な要素」とも話した。

Yahoo!スポーツの中の人が混乱していたように、

http://diarynote.jp/d/75424/20080812.html
確かにわかりにくいルールです。

ピリオド毎の勝者を決めるという現在のルールは、相手をフォールするというレスリングの基本にそぐわないものです。私は全ピリオドの合計ポイントで勝負したほうがわかりやすいと考えています。

そもそも「わかりやすさ」というものを重視するのであれば、数年毎に大きなルール変更をするのは遠慮してもらいたいものです。せっかくルールを覚えてもすぐに変更されるのでは、結局何をしているかわからなくなってしまいます。

ちなみに現行の「2分間×3ピリオドで争い各ピリオド毎の勝者を決め、2ピリオド先取したほうの勝ち」というルールは、2005年1月1日から実施されています。早ければ2009年1月に変更されるそうですから、たった4年でまた変更になってしまうのでしょうか。

国際レスリング連盟(FILA)新ルール条文&全日本選手権は新ルールで実施 (日本レスリング協会 2004年10月28日)
http://jwf2007.kir.jp/New04/589.htm
いつの間にか直ってます
先ほどyahoo!スポーツでレスリングの結果を確認したら、おかしな表記になっていた部分は直っていました。

ちょとわかりにくいルールだったかもしれませんが、ルールはきちんと確認しておいてほしいものです。
勝手にルールを変えるんじゃない
インターハイのことばかり書いてきましたが、今日からレスリングが始まったのでそろそろ北京五輪の話もしましょうか。

今日は男子グレコローマンスタイル55kg級・60kg級の1回戦から決勝までの試合が行われます。日本からは60kg級に笹本睦が出場しています。

組み合わせを見ると強豪選手の固まった大変なブロックになっていますが、1回戦は無事に突破したようです。それはいいことなのですが、Yahoo!スポーツから結果を確認しようとしたら、何やらおかしなことになっていました。

ttp://beijing.yahoo.co.jp/event/result/WG?i=060&s=M&ph=9&u=15#0

5−1で笹本の判定勝ちとなっていますが、これは間違いです。各ピリオドで獲得したポイントを合計してしまっています。各ピリオドごとに勝者を決め、先に2ピリオド獲得したほうが試合の勝者になる、というのが(現在の)正しいルールです。

レスリング入門 レスリングの技&ルール(日本レスリング協会)
 試合時間は2分間3ピリオドで、ピリオド間のインターバルは30秒。各ピリオドごとに勝者が決定され、2つのピリオドを勝った選手が試合の勝者となる。したがって、片方の選手が第1、2ピリオドを連取した場合は、第3ピリオドを行なうことなく試合の勝者が決まる。

 男子グレコローマンの場合は、スタンド・レスリングとグラウンド・レスリングによって試合が進行する。各ピリオドの最初の1分間がスタンド・レスリング、続く1分間がグラウンド・レスリングで、30秒で攻守が交代する(後述)。

 ただし、フオール(相手の両肩をマットに1秒間つけること)が決まった場合は、どんなシチュエーションであってもフォールした選手が試合の勝者となる。また、試合を通じて警告(コーション)を計3度受けた場合も、その段階で3度の警告を受けた選手が警告失格で負けとなる。
本来なら両者が取ったピリオドの数がスコアとして表記されます。つまり、「2−0」とするのが正しいスコアです。ちょっとややこしいかもしれませんが、バレーボールやテニスのセットカウントみたいなものだと思ってください。全ピリオドの合計ポイントで勝敗を決めていた時もありましたが、現在ではルールが変わりこのようになっています。

Yahoo!で試合結果を見ると、どうやら担当の人がルールを良くわかっていないらしく、今のところ全試合で同様のことが起きています。おかげで「5−6」だが5ポイントの方が勝ちということも起きています。
グレコローマン60kg級 2回戦第7試合(Yahoo!スポーツ)
ttp://beijing.yahoo.co.jp/event/result/WG?i=060&s=M&ph=4&u=07#0

[追記]
笹本は2回戦で負けてしまいました。相手は因縁のナザリアンですか・・・。
アテネ五輪で笹本がナザリアンに敗れた時の記事です。

http://jwf2007.kir.jp/New04/671.htm
現在開催中のインターハイですが、8月11〜15日は競技が行われません。

16日からヨット、17日から水泳が始まり、どちらも20日に終了します。

各競技の動画が配信中なので(一部配信していない競技もあります)、競技が再開するまではそちらを見ていましょうか。

平成20年度全国高等学校総合体育大会「彩夏到来 08 埼玉総体」公式ホームページ
http://www.spec.ed.jp/soutai/index.html
明日行われる競技は、

体操(男女)
バレーボール(男)
ソフトボール(男)
柔道(女子)
ボート(男女)
テニス(男女)
登山(男女)
ウエイトリフティング(男)
空手道(男女)
カヌー(男女)

もちろんインターハイの話ですよ。

平成20年度全国高等学校総合体育大会「彩夏到来 08 埼玉総体」公式ホームページ
http://www.spec.ed.jp/soutai/index.html

試合の動画も配信してます。
彩夏到来 08 埼玉総体公式応援サイト『Kizuna活動』(埼玉総体動画配信支援センター)
http://www.kizunakatsudo.jp/
個人戦も終わり、今日でレスリングは終了です。

森下史崇(茨城・霞ヶ浦)が史上2組目の親子インターハイ王者へ…インターハイ最終日(個人戦) 日本レスリング協会
http://www.japan-wrestling.jp/New08/584.html

学校対抗戦で岐南工業を下した島原(長崎)の選手がなんとなく気になったので、成績を調べてみました。50kg級、66kg級、74kg級で3回戦進出、96kg級ではベスト8の成績を残していました。やはり結構な実力者達だったようです。

レスリングは終わってしまいましたが、インターハイは20日まで続きます。明日からは柔道、空手道、自転車(ロード)、カヌーが始まります。野球の影に隠れてしまいそうですが、インターハイもお忘れなく。

平成20年度全国高等学校総合体育大会「彩夏到来 08 埼玉総体」公式ホームページ
http://www.spec.ed.jp/soutai/index.html
埼玉総体のレスリングは今日で2日目です。昨日に続いて行われた学校対抗戦は、霞ヶ浦(茨城)が3年ぶり19回目の優勝を果たしました。地元・埼玉県代表の花咲徳栄は準優勝、埼玉栄は3位でした。春の選抜で優勝していた京都八幡(京都)は3位、昨年の優勝校である秋田商業(秋田)は3回戦敗退でした。

優勝  霞ヶ浦(茨城)
準優勝 花咲徳栄(埼玉)
3位  京都八幡(京都)
〃   埼玉栄(埼玉)

埼玉総体 競技記録結果ページ 【レスリング】学校対抗
http://www.kirokukensaku.com/inter/K_GS/16/k_gs0160201SHUBETUSHUMOKU.html

霞ヶ浦(茨城)が花咲徳栄(埼玉)を破って3年ぶりV19…インターハイ第2日(学校対抗戦) (日本レスリング協会)
http://www.japan-wrestling.jp/New08/591.html

気になった試合を幾つか挙げてみましょう。

○2回戦
・多度津工業・多度津(香川)−関宿(千葉)
勝数が3−3の同数であったため、「内容勝ち」という珍しい形で決着が付きました。

・島原(長崎)−岐南工業(岐阜)
春の選抜で3位だった岐南工業ですが、ここで敗れてしまいました。島原の7戦全勝という結果も驚きでした。

○3回戦
・玉名工業(熊本)−多度津工業・多度津(香川)
学校が統合されたことにより、多度津工業の選手が出場するのは今大会が最後だったのですが、ここで無念の敗退です。

・三井(福岡)−島原(長崎)
2回戦では強豪・岐南工業を圧倒的な内容で撃破した島原でしたが、惜しくも3−4で敗退しました。

・埼玉栄(埼玉)−秋田商業(秋田)
昨年の覇者・秋田商業ですが、ここで敗退です。

○準々決勝
・埼玉栄(埼玉)−上田西(長野)
春の選抜3位の上田西でしたが、決着が7人目までもつれ込む大接戦の末に敗れてしまいました。

○準決勝
・花咲徳栄(埼玉)−京都八幡(京都)
この2校は春の選抜でも対戦していて、前回は接戦の末に京都八幡が勝利しています。今回も大接戦でした。最後の120kg級で花咲徳栄が勝ち、前回の雪辱を果たしました。

○決勝
・霞ヶ浦(茨城)−花咲徳栄(埼玉)
関東大会では花咲徳栄に遅れをとった霞ヶ浦でしたが、今回は霞ヶ浦が勝利を収めました。

以下は感想などを簡単に

正直なところ春の選抜と関東大会の結果から、霞ヶ浦の優勝は難しいのではないかと思っていました。ところが花咲徳栄を破って見事に優勝してしまいました。さすがは霞ヶ浦といったところでしょうか。相変わらず恐ろしいチームです。

地元・埼玉県代表の花咲徳栄と埼玉栄は、両校とも霞ヶ浦に敗れたとはいえ大活躍でした。最近は花咲徳栄の活躍が目立っていましたが、埼玉栄もまだまだ侮れないようです。

さて、明日からは個人戦が始まります。学校対抗戦で惜しくも敗れてしまった学校や、学校対抗戦で全国まで進めなかった学校にも強い選手は沢山います。こちらはどんな試合になるでしょうか。

埼玉総体の試合速報はこちらから

埼玉総体 競技記録結果ページ
http://www.kirokukensaku.com/inter/
埼玉総体が7月28日から始まっています。レスリングも8月1日から始まりました。

さて、1日目に行われた学校対抗戦の結果を見ていたのですが、2回戦で対戦した多度津工業・多度津(香川)と関宿(千葉)の試合で珍しいことが起きていました。

埼玉総体 競技記録結果ページ 【レスリング】8月1日 学校対抗2回戦
http://www.kirokukensaku.com/inter/K_AS/16/k_as0160201300801.html

双方の勝ち数が、「3−3」の同数になっています。本来であれば1チーム7人(階級毎に1人ずつ選手を出す。階級は全部で7つ)で総当り戦を行うので、両チームの勝ち数が同じになることはありません。ところが今回は、両チーム共に選手のいない階級があった上、残りの試合でどちらも3勝ずつしているために、勝ち数が同じになってしまいました。結局「内容勝ち」として多度津工業・多度津の勝ちになっていますが、これはどのようにして決めたのでしょうか。

そういえば2007年3月29日に、私はこんなことを書いていました。
http://diarynote.jp/d/75424/20070329.html
と、ここまで書いていて気が付いたのですが、「6試合してスコアが3−3である。しかし残りの階級は両チームとも選手がいない」という場合にはどうなるのでしょうか。滅多にないだろうと思い、気にしたことがありませんでした。フォール勝ちの数できまるのでしょうか。それとも試合をした中で一番重い階級を勝利したチームの勝ちになるのでしょうか。あるいは抽選でしょうか。どなたかご存知でしたら教えてください。

「どなたかご存知でしたら教えてください。」などと書いておきながら、誰かに教えてもらうことも自分で調べることもしないままになっていました。そこで今回は自分で調べてみることにしました。

まずは大会の実施要項を見てみましょう。

平成20年度全国高等学校総合体育大会 レスリング競技大会 三笠宮賜杯 第55回全国高等学校レスリング選手権大会 実施要項
http://www.heso-sports.com/koukousoutai/jissiyoukou_.pdf

「5 競技方法 (3)学校対抗戦」に勝敗の決め方が書いてありました。
<勝敗の決定は次の順による>
ア 勝数の多いチーム
イ 勝点5による勝数の多いチーム
ウ 勝点4による勝数の多いチーム
エ 勝点総数の多いチーム
オ 総フォール・タイムの短いチーム
カ 総テクニカル・ポイントの多いチーム
キ 抽選(両チームより3名ずつ出して抽選を行う)

ほとんどの場合は「ア 勝数の多いチーム」に該当するのですが、今回は両チームの勝数が同じです。そこで次の「イ 勝点5による勝数の多いチーム」はどちらのチームか、ということになります。

ところで「勝点5」や「勝点4」は、どのようにして決まるのでしょうか。こちらも調べてみました。勝点は次のようにして決まります。

レスリング入門 レスリングの技とルール
http://jwf2007.kir.jp/nyumonn/mikata.html
勝ち点は以下の通り。
5点=フォール勝ち、警告勝ち、棄権勝ちなど

4点=第1、2ピリオドともテクニカルフォールで勝った時

3点=2−1、2−0などの判定勝ち。

1点=判定負けの中でポイントを取った場合

0点=判定負けの中でポイントを取れなかった場合

ここまでわかったので、あとは「勝点5による勝数」つまりはフォール勝ち、警告勝ち、棄権勝ちが幾つあるか調べるだけです。試合の内容を確認してみましょう。

50kg級  関宿の勝ち(判定)
55kg級  関宿の勝ち(判定)
60kg級  多度津工業・多度津の勝ち(判定)
66kg級  多度津工業・多度津の勝ち(フォール)
74kg級  多度津工業・多度津の勝ち(フォール)
84kg級  両者棄権
120kg級 関宿の勝ち(判定)

多度津工業・多度津は66kg級と74kg級でフォール勝ちしています。フォール勝ちは勝点5に該当します。つまり「勝点5による勝数」は2となります。

一方、関宿は3勝しているものの全て判定勝ちです。判定勝ちは勝点3に該当します。したがって「勝点5による勝数」は0です。

以上のことから多度津工業・多度津は「イ 勝点5による勝数の多いチーム」、つまりこの試合の勝者となりました。これが「内容勝ち」の中身です。

1年4ヶ月も放り出していましたが、謎が解けてスッキリしました。もっとも、調べる気があればもっと早くに解決したはずですが。調べるのを面倒がってはいけませんね。

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