以前、アジサイの葉を食べたことが原因で食中毒が起きた話を取り上げました。
 ↓
 http://75424.diarynote.jp/200806230112330000/

 「アジサイに含まれる青酸配糖体によって中毒症状を起こした」と考えられていたのですが、専門家の間では、これを疑問視する声が上がっています。

 アジサイの葉は毒?原因物質検出できず…昨年2件の食中毒 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090317-OYT1T00919.htm

 「アジサイ中毒」が起きた2件のうち1件では青酸配糖体が検出されず、もう1件では中毒を起こすとは考えられないほどの微量しか検出されませんでした。これは一体どういうことなのでしょう。

 青酸配糖体とは別の物質が原因だとする意見もありますが、
茨城県・食の安全対策室の担当者は「とても苦くて何枚も口にできない。それでも、天ぷらや刺し身のツマなどに飲食店や家庭で時々使われてきたのだから、もし毒があれば報告がなかったのは不思議だ」と話す。
 一方でこのような意見もあり、そもそもアジサイが原因ではなかった可能性もあります。果たして何が原因だったのでしょうか。気にはなるのですが、今のところは研究が進むのを待つしかなさそうです。
アジサイの葉で8人が食中毒症状…茨城・つくばの飲食店 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080622-OYT1T00457.htm?from=navr
 茨城県つくば市の飲食店で、料理に添えられたアジサイの葉を食べた客8人が嘔吐(おうと)やめまいなどの食中毒症状を起こしていたことが22日、県の調べで分かった。

 アジサイの葉には、胃液などと反応して青酸を生成する物質が含まれている。30歳代と40歳代の女性2人が医療機関で受診した。いずれも快方に向かっているという。

 店側は有毒性を認識しておらず、県の調査に対し、「季節感を出すために添えた」と話しているという。

 発表によると、13日夜、同県つくば市の創作料理店「遊食(ゆうしょく)伊太利庵(いたりあん) 藤右エ門 栄」で、19人のグループが会食し、会食の約30分後に8人がめまいなどを訴えた。

 つくば保健所は22日、コース料理の「鳥肉梅しそ和(あ)え」に添えられたアジサイの葉を食べたのが原因として、同店を営業禁止処分にした。

(2008年6月22日20時46分 読売新聞)

 料理に添えて出すのであれば、食べても害がないか事前に調べておいて頂きたいものです。アジサイは有毒です。このほかにも、観賞用とされている植物の中で有毒な植物はあります。

 私の知っている範囲でざっと挙げてみますと

アサガオ
アジサイ
イヌサフラン
キキョウ
ジキタリス(ジギタリス?)
シクラメン
スイセン
スズラン
チューリップ(食用可能な品種もある)
チョウセンサガオ
ヒガンバナ(リコリスもヒガンバナの仲間です)
ルピナス


 などがあります。花壇などでよく見かける花であっても、有毒な場合だってあるのです。しかし、そのことに対してあまり注意が払われていないように思えます。

 先月、国民生活センターは「ペットの犬が庭に植えていた球根を食べてしまい、血を吐いて死亡した。球根の毒が原因のようだが、危険表示などがなかった」という相談が寄せられたこと、販売に際して注意表示をするよう業界に要望することを発表しました。
植物性自然毒による事故に注意!!−球根、葉で食中毒死も!−(報道発表資料)_国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20080527_1.html

 「表示がなかった」ということを問題にしているようなので、この相談をした人は「特に表示がないから安全なのだろう」と考えていたのでしょう。販売する側も、観賞用であるから食べることを想定していなかったのかもしれません。双方あまりに無防備です。

 国民生活センターの要望にあったように、売る側は危険である旨を表示または口頭で注意すべきでしょう。一方、消費者側も自分で調べる努力をするべきです。難しい専門書を読む必要はありません。毒があるか否かという程度の情報ならば、ちょっとした図鑑を見れば載っています。有毒植物についての情報だけをまとめた本もありますが、そこまでする必要はないでしょう。

 物騒な事件もありますから、毒について調べることを快く思わない方もいらっしゃるかもしれません。ですが、「何が危ないか」、「どうすると危ないのか」を知ることは「どうすれば危険を避けられるか」ということに繋がります。知っておいて損はないでしょう。

 毒がある植物でも、正しく扱えば「きれいな花」として楽しむことができます。危険な物を排除するのではなく、上手に扱っていきたいものです。もちろん、法に触れたり人に迷惑をかけない範囲で。
ケシ:ふれあい公園で栽培 茨城・下妻市「気づかなかった」毎日新聞 2008年5月14日
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080514ddm041040110000c.html
 茨城県下妻市堀籠(ほりごめ)の小貝川(こかいがわ)ふれあい公園の「フラワーフェスティバル」会場のポピー畑に、あへん法で栽培が禁止されているアツミゲシが大量に咲いているのが見つかり、市は13日、数十万本を伐採し焼却処分にした。県は「輸入したポピーの種に、何らかの事情でケシの種が混入した可能性が高い」としている。県警下妻署員が11日に巡回中に見つけ、12日に県薬務課職員らが現地で5ヘクタール中1ヘクタールにアツミゲシを確認した。

 市はフェスティバル(24、25日)に向け、07年にシャレーポピーの種子を市内の業者から購入。10月20日に地元ボランティアが植え、育てていた。種子の段階で混入したとみて流通経路を調べる。

 市担当者は「赤い花と思っていたのに薄紫色で、きれいではないなと感じたが気づかなかった。数年前にも同じ花を栽培した」と話している。

 数十万本のケシの花ですか・・・。アツミゲシを知らない人にとっては「きれいなポピー畑」に見えるのでしょうね。気がついた警察官はさぞ驚いたでしょう。どうして数十万本分の種子が混入したのかも気になるところです。

 これとは関係ありませんが、昔私が「菜の花畑」を作っていると思っていた人に、本当は小松菜畑であったことを明かしたら、大層驚いていました。

規制されるケシとその類似植物について―植えてはいけないケシの見分け方― (東京都薬用植物園)
http://www.tokyo-eiken.go.jp/plant/keshi-miwakekata.html
ドクゼリ食べ1人重体=散歩の女性に勧められ調理−宮城 (時事通信 3月12日)
ttp://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008031200187
 11日午後7時半ごろ、宮城県大崎市岩出山の民家で、カブのような植物の煮物料理を食べた女性(65)が突然、気分が悪くなった。女性は病院に搬送されたが、けいれんを起こし意識不明の重体。調理した近所の女性(65)も吐き気などを訴え入院した。県警鳴子署と保健所は、2人がドクゼリを食べたとみて調べている。
 調べでは、2人は友人で、11日の日中、江合川の土手付近で60歳ぐらいの女性と知り合い、一緒に河川敷を散策。途中、女性から「これはガマの根みたいなものだよ。食べますか」と言われ、女性に野草を採ってもらったという。
 帰宅後、2人のうち1人が調理し、重体の女性にも分け、それぞれ自宅で食べたところ、1時間半ほどで体調が急変したという。


食べるように勧めた女性が「ガマの根みたいなもの」と言ったのは、どういう意味だったのでしょうか。「たぶんガマだと思う」という意味だったのでしょうか。それとも、「正確には『茎』に相当する部分だが、地中にあるから『根』と言ったほうが相手にわかりやすいだろう」と考えていたのでしょうか。

いずれにしても、その植物が「ガマ」でなかったことだけは確かですが。

さて、以前も同じようなことを書いていますが、こういった事故を防ぐには、
よくわからないものは食べない。もちろん人にも勧めない。
これに尽きると思います。

私の住んでいるあたりでは、まだ雪が残っていますが、暖かくなってくると時々こういう事故が起きるようになってしまいます。

度々この日記でも取り上げている「ニラとスイセンを間違えて食べてしまう事故」も、今年は起きないと良いのですが。

スイセンは食べられません。

スイセンを食べてしまい救急車で病院に運ばれる、という事故が時々起きています。

自宅の庭にニラとスイセンを植える時は、混ざらないよう離れた場所に植えましょう。

(それぞれ「ニラ」、「スイセン」と書いた看板でも立てておけば、なお良いでしょう。)

<追記>
その後の調べによると、どうやら確信があったわけではなく、「食べられるのでは」という曖昧な理由で食べてしまったようです。まさかこんな大事になるとは思っていなかったのでしょう。ともあれ、重体だった女性が回復に向かっているのは何よりです。

食べたのは「ドクゼリ」 宮城で自生植物食べ女性重体 (サンスポ.COM 3月13日)
http://www.sanspo.com/tohoku/top/th200803/th2008031304.html
 宮城県大崎市で11日、河川敷に自生していた植物を食べた65歳の無職女性2人がけいれんや吐き気を訴えて1人が意識不明の重体、もう1人が軽症となった問題で、2人が食べたのは河川敷で自生する「ドクゼリ」であることが12日、県警鳴子署や大崎保健所の調べで分かった。

2人は面識のない女性からドクゼリをもらったとみられていたが、その後の調べで同市の無職女性(60)と一緒に河川敷を散策中にドクゼリを発見。「食べられるのでは」などという話になり、持ち帰っていたことが判明した。

ドクゼリはほぼ日本各地に分布するセリの仲間で、湿地帯に自生。毒性が強く、多量に摂取すると死亡する場合もあるという。大崎保健所などは、症状や形状からドクゼリと判断。2人は根茎部分を食べたらしい。重体の女性は少しずつ回復し、問い掛けにはうなずくようになったという。

青森県で、スイセンによる食中毒が発生しました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070510-00000040-mailo-l02

自宅で栽培していてニラと間違えた話は何度か聞いたことがあるのですが、今回のように販売者が間違えていたというケースは初めて聞きました。

「ニラです」といって出されたら、もともと間違えやすいだけに買った人も気が付かなかったのでしょう。

ところで「野生のニラ」と間違えたようですが、ニラに似たノビルという野草があります。こちらもスイセンと間違えやすいそうなので注意が必要です。

「庭や野山の毒草ハンドブック」(札幌市保健衛生情報 毒草による食中毒の防止について)
http://www.city.sapporo.jp/eisei/pamph/dokusou/dokusou_handbook.html
福岡県で、チョウセンアサガオによる食中毒が発生しました。オクラと間違えて食べてしまったそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070314-00000168-mailo-l40

こちらの写真を見た限りでは、チョウセンアサガオの方が白っぽくて丸みを帯びているように見えますが確かに似ています。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin//////////dokusou/01.html

ゴボウと間違えてしまったことによる中毒例もあります。ゴボウを収穫した時に、地上部が枯れていたために近くに生えていたチョウセンアサガオの根と混ざってしまったそうです。
http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/kanpo/c_asagao.htm

以前にも書いたかもしれませんが、こういった事故はちょっと注意していれば防げるものだと思います。

そもそも、よくわからないものは口にしない。
(見た目が似ていても中身が一緒とは限りません)
植えるときには食べるものと、そうでないものは分けて植える。
(境界線は明確に)
そしてできれば、自分が育てている植物がどういったものか知る。
(綺麗な花にはトゲだけでなく毒があることも)

これらのことに注意しておけば事故は随分減らせるのではないでしょうか。

調達

2006年6月19日 植物
調達
山菜やキノコについては知らないものが沢山あるので、見分ける自信のないものは食べないようにしています。得体の知れないキノコなんかは、見てる分には楽しいのですが。

「有毒植物にご注意を」 長野市保健所
http://www.city.nagano.nagano.jp/ikka/hokenjo/topic_030418_dokusou.htm

ルピナス

2006年6月15日 植物
昨日、草むらの中に咲いているルピナスの花を見つけました。庭に植えてある姿は時々見かけますが、このような場所で見たのは初めてです。以前は誰かの家があったのでしょうか。それとも、どこからか種が運ばれてきたのでしょうか。

ところが今日、同じ場所を通ると草刈がされており、ルピナスも一緒に刈られていました。「ルピナス」という名前は、どんな土地でも育つたくましさからラテン語でオオカミを意味する「lupus」が語源だそうですが、草刈機には勝てなかったようです。

ルピナスの花は、藤の花を上下逆さまにしたような形をしています。そのため、「昇り藤」とも呼ばれます。しかし私は、数年前まで藤の花を見たことがなかったため、「ルピナスを逆さにしたのが藤の花」という覚え方をしていました。

ルピナスの花
http://www.hana300.com/rupina.html

藤の花
http://www.hana300.com/fuji00.html

ニラとスイセン

2006年5月17日 植物
ニラとスイセンを間違えて食べてしまい中毒を起こした、という事故がありました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060516-00000215-kyodo-soci
何年か前にも同様の話を聞いた覚えがあったのですが、実はほぼ毎年のように発生しているそうです。

いずれの場合も原因は、「ニラとスイセンをすぐ近くで栽培していたところ、見分けがつかなくなり間違えてしまった。」ということのようです。スイセンの花が咲いていれば簡単にわかるのでしょうが、葉の形だけを見るとよく似ているので間違えやすいのでしょう。それでもよく見ると違いがあるようですが、私は見分けられる自信がありません。
http://www.city.sapporo.jp/kiyota/kenko/advice/advice24.html

もっとも、予め離れた場所に植えておけば間違えることもなかったはずです。それでは何故、近くに植えてしまったのでしょうか。ほかに植える場所が無かったのかも知れませんが、スイセンは食べると有毒であることを知らなかったのではないかと思います。知っていれば間違えやすい場所には植えないでしょう。あるいは、ニラとスイセンの葉が似ていることを知らなかった、または全く意識していなかった可能性もあります。それ故に、両者が間違えやすいものであるとは考えていなかったのかも知れません。

今回の件に限らず植物を栽培するときは、栽培方法だけでなく性質も少し調べてみると良いでしょう。観賞用の植物の中には、スイセンやスズランのように有毒なものもありますから、事故防止のために知っておいて損はないと思います。また、そうすることで栽培の楽しみが増えるのではないかと思っています。

紫色の花

2006年5月14日 植物
先日、カタクリの写真を友人に見せたところ、数日後に突然「ラベンダーじゃないのかよ」と言われました。

確かにカタクリの写真であるとは言いませんでしたが、ラベンダーだといった覚えもありません。話を聞いてみると、
北海道+紫色の花=ラベンダー と思ってしまったそうです。
ムスカリと間違えるなら、わかるような気もしますが・・・。
http://tanr.moo.jp/only/musuka.htm

ちなみにラベンダーの種類は幾つかありまして、少しずつ形が違います。白い花を咲かせるものもあるようです。
http://yurimama.sakura.ne.jp/lave3.htm

帰る前に

2006年5月7日 植物
帰る前に
正門を出て左側の、山の頂上へ向かう道を歩いてみると
カタクリの花が咲いていました。

ちなみに、このカタクリからとったデンプンが「片栗粉」です。
もっとも、最近ではジャガイモからとったデンプンを「片栗粉」と呼ぶことが普通になっています。かく言う私も、ジャガイモの片栗粉しかお目にかかったことがありません。

生息地の減少によって数が激減しているそうなので、しかたないのかもしれません。

アブラナ科

2006年3月17日 植物
 スーパーへ買い物に行った折、菜の花が売られているのを見つけました。店頭に並んでしまうと風情に欠ける気もしますが、それでも食卓に上れば春を感じさせてくれるので嬉しくなってしまいます。

 随分前に、知人が訪ねてきた時「きれいな菜の花ですね」といわれたことがあります。「菜の花」と言えば、アブラナです。ところが、アブラナを植えた憶えはありませんでした。前の年に植えたコマツナの残りが花を咲かせていたので、それを見て勘違いしたようです。

 アブラナとコマツナはどちらもアブラナ科の植物なので、よく似た花を咲かせます。キャベツやダイコンも同様です。

コマツナの花↓
http://www.rekihaku.ac.jp/koohoo/shoku/jyoohoo/050406/komatsuna.html

落花生 その2

2006年2月4日 植物
 以前、自宅で落花生の栽培を試みたことがあります。

 たまたま何かの用事で近所のホームセンターに行ったところ、苗が売っていたので購入し、植えてみました。

 落花生が地中に実をつける様を観察してみようだとか、収穫できたら塩茹でにして食べてみようなどと、期待していました。

 しかし、落花生の花が咲いた頃に事件は起きました。

 畑の様子を見に行くと、雑草がきれいになくなっていました。

 ついでに落花生も、きれいになくなっていました。

 近くに植えていた、小松菜と枝豆は無事でした。

 驚いて家人に事情を尋ねたところ、

 「雑草が伸びていたので、抜いておいた。空いている場所があったから、ついでにトウモロコシの種をまいておいた。」

 と言われました。

 要するに落花生は、雑草と間違えられ引っこ抜かれてしまったわけです。

 それ以来、家庭菜園はやめてしまいました。