萌えプリンの青華堂とマイナスイオン
2009年10月12日 怪しい話 コメント (2) 「あとで書く」と言いながら1週間以上になりますが、前回の続きです。札幌駅で見かけた「萌えプリン」(商品名は「ミルキーゴールド」)なるものについて調べていたら、ちょっと気になることがありました。
このお菓子を作っている青華堂の会社案内に妙なことが書いてあるのです。
↓
http://www.seikado.net/html/company.html
なぜマイナスイオン?そして「環境を改善」とはどういうことなのでしょうか。もう少し調べてみました。
朝日新聞29面で雪花青(せっかせい)をご紹介いただきました。 - SEIKADO|青華堂オフィシャルブログ
http://www.seikado.net/blog/?p=11
しかしながら私には、
・電磁波といっても色々あるので(詳しく国立環境研究所ホームページの解説をどうぞhttp://www.nies.go.jp/escience/denjiha/p1/p1.html)具体的にはどの位の波長のものを指すのか不明である
・「電磁波など」の「など」とは何か
・静電気や電磁波がチョコレートの滑らかさにどのような影響を与えるのか
・静電気や電磁波を抑制すると主張されているが、本当にそんな効果があるのか。あったとしてもどの程度抑制するのか
・ICASというものを使っているようだが、どんなものなのか
・そもそもマイナスイオンとは何か
といった具合にわからないことだらけです。
とりあえずICASなるものについては会社案内のページにあったリンクをたどっていくと、次のようなページを見つけることができました。
↓
http://www.healthcoat.com/icas/index.html
ICASの説明らしきものが書かれているのですが、私にはよくわかりませんでした。とりあえず気になった箇所を挙げていきます。
それから青華堂のページでは「マイナスイオン」と呼ばれていたものが、ここでは「負イオン」という呼び方をされています。どうして呼び方が違うのかと不思議に思っていたのですが、どうやらICASを作ったアーテック工房のサイトでは、1年ほど前に「マイナスイオン」と呼んでいたものを「負イオン」という呼び方に改めたそうです。
↓
続・看板が消えた(Part1) - 杜の里から
http://blog.goo.ne.jp/osato512/e/c7ec486a6595164dd833c1eb9b896725
(他にもICASについての解説がありましたので参考にさせてもらいました。)
次にQ&A(http://www.healthcoat.com/icas/qa.html)を見てみましょう。「Q3.マイナスイオン発生装置と何が違うのですか?」という項目の中にこんなことが書いてあります。
空気中に存在する分子の数を計算してみましょう。
0℃、1気圧の理想気体として考えた場合、1mol(分子が6.02×10^23個)の気体の体積は22.4Lになります。
これを1ccあたりにすると、1L=1000cc なので
(6.02×10^23)÷(22.4×1000)
=2.69×10^19個
となります。
これに対して数万や数十万個ではあまりに少なすぎます(14~15桁も違います)。「自然界ではありえない量」とは一体どういうことなのでしょう。
さて、結局私にはICASの何が素晴らしいのか理解できませんでしたが、青華堂はどうしてICASを使おうと考えたのでしょうか。美味しいお菓子を作ることが目的なら、他に考えるべきことがありそうなものです。あるいは「マイナスイオン」を謳い文句にすれば商品が売れると考えたのでしょうか。私にはよくわかりませんが、どうせお金と手間をかけるならもっと他の所にすれば良かったのではないかと思います。
このお菓子を作っている青華堂の会社案内に妙なことが書いてあるのです。
↓
http://www.seikado.net/html/company.html
北海道の良質な素材でお菓子を作り続け、いつも皆様よりご愛顧いただいております。
青華堂は厳選した素材はもちろんのこと、お菓子作りの環境作りにも取り組んでおります。
当社が導入したICASには、工場内にマイナスイオンを発生させて環境を改善することにより、
素材本来の味が最大限に引き出され、より安心安全なお菓子を作ることができます。
なぜマイナスイオン?そして「環境を改善」とはどういうことなのでしょうか。もう少し調べてみました。
朝日新聞29面で雪花青(せっかせい)をご紹介いただきました。 - SEIKADO|青華堂オフィシャルブログ
http://www.seikado.net/blog/?p=11
新商品は、国際特許を取得しているICASシステムを導入した同社独自の「ICASメルティング製法」で製造。マイナスイオン効果で静電気や電磁波などを抑制できるため、ホワイトチョコレートの滑らかさが増すという。ここではマイナスイオンの効果として、「静電気や電磁波などを抑制できる」ことが挙げられています。その結果として、チョコレートが滑らかになると主張したいようです。
しかしながら私には、
・電磁波といっても色々あるので(詳しく国立環境研究所ホームページの解説をどうぞhttp://www.nies.go.jp/escience/denjiha/p1/p1.html)具体的にはどの位の波長のものを指すのか不明である
・「電磁波など」の「など」とは何か
・静電気や電磁波がチョコレートの滑らかさにどのような影響を与えるのか
・静電気や電磁波を抑制すると主張されているが、本当にそんな効果があるのか。あったとしてもどの程度抑制するのか
・ICASというものを使っているようだが、どんなものなのか
・そもそもマイナスイオンとは何か
といった具合にわからないことだらけです。
とりあえずICASなるものについては会社案内のページにあったリンクをたどっていくと、次のようなページを見つけることができました。
↓
http://www.healthcoat.com/icas/index.html
ICASの説明らしきものが書かれているのですが、私にはよくわかりませんでした。とりあえず気になった箇所を挙げていきます。
私たちのまわりにある空気(物質)は、正の電荷を持つ原子と負の電荷を持つ電子がバランスよく手を取り合って存在しています。それは原子ではなく、原子核ではありませんか?
それから青華堂のページでは「マイナスイオン」と呼ばれていたものが、ここでは「負イオン」という呼び方をされています。どうして呼び方が違うのかと不思議に思っていたのですが、どうやらICASを作ったアーテック工房のサイトでは、1年ほど前に「マイナスイオン」と呼んでいたものを「負イオン」という呼び方に改めたそうです。
↓
続・看板が消えた(Part1) - 杜の里から
http://blog.goo.ne.jp/osato512/e/c7ec486a6595164dd833c1eb9b896725
(他にもICASについての解説がありましたので参考にさせてもらいました。)
次にQ&A(http://www.healthcoat.com/icas/qa.html)を見てみましょう。「Q3.マイナスイオン発生装置と何が違うのですか?」という項目の中にこんなことが書いてあります。
発生方法により異なりますが、マイナスイオン発生器から放出する負のイオン数は1ccあたり数万から数十万個であり、自然界ではありえない量のイオンが発生します。
空気中に存在する分子の数を計算してみましょう。
0℃、1気圧の理想気体として考えた場合、1mol(分子が6.02×10^23個)の気体の体積は22.4Lになります。
これを1ccあたりにすると、1L=1000cc なので
(6.02×10^23)÷(22.4×1000)
=2.69×10^19個
となります。
これに対して数万や数十万個ではあまりに少なすぎます(14~15桁も違います)。「自然界ではありえない量」とは一体どういうことなのでしょう。
さて、結局私にはICASの何が素晴らしいのか理解できませんでしたが、青華堂はどうしてICASを使おうと考えたのでしょうか。美味しいお菓子を作ることが目的なら、他に考えるべきことがありそうなものです。あるいは「マイナスイオン」を謳い文句にすれば商品が売れると考えたのでしょうか。私にはよくわかりませんが、どうせお金と手間をかけるならもっと他の所にすれば良かったのではないかと思います。
コメント
でたと少し前のニュースで見た気がします。EMのところで触れ
ましたけど目に見えなくて効果があるといわれているものはいま
いち理解ができないです。エアコンの除湿みたいにお! 洗濯物
が乾いた! などとわかればいいのですけどね。 プリンをおい
しくするのはまず厳選した材料と手間隙でしょうね。どうせなら
モーツアルトを聞かせたのほうがよかったのかもしれません。
>細かい計算お疲れ様です。
計算は学校で習ったことを思い出せばそれほど難しいものではありませんでした。ただし、思い出すまでが大変でしたけど。結局、本棚から物理の参考書を引っ張り出してくることになりました。
>EMのところで触れましたけど目に見えなくて効果があるといわれているものはいまいち理解ができないです。エアコンの除湿みたいにお! 洗濯物が乾いた! などとわかればいいのですけどね。
EMやマイナスイオンの場合は、他に理由がありそうなのに「EMの(マイナスイオンの)おかげです!」とやってしまうことがあります。何でもすぐに原因が特定できるようなものばかりではありませんから、妙な理屈をつけてわかったことにしてしまうよりは「わからない」と保留しておく方が無難でしょう。
>どうせならモーツアルトを聞かせたのほうがよかったのかもしれません。
どっちもどっちという気がします。これも本気でやっている人がいるようですから困ったものです。