アラ・アブラハミアン(スウェーデン)の北京五輪メダルはく奪が確定(日本レスリング協会)
 http://www.japan-wrestling.jp/New09/924.html

 スウェーデンのアラ・アブラハミアンは、北京五輪で判定への不満から表彰式の最中にメダルを置いて立ち去ったことにより、メダルの剥奪と失格処分が下されていました。一方、アブラハミアン側はこの処分を不服とし、失格処分の取り消しを求めて国際スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴していたのですが、ようやくCASの判決が出ました。結局アブラハミアンの訴えは認められず、処分が確定することになったようです。


 ところでこの件を伝える各社の報道を比べてみると、表彰式でのアブラハミアンの行動について、それぞれ違った表現がされています。

■毎日新聞の場合
 CAS:アブラハミアンの訴え却下 銅メダルはく奪で - 毎日jp(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/news/20090217k0000m050123000c.html
 アブラハミアンは、敗れた準決勝の判定を不服とし、表彰式でメダルを床に置いて立ち去り、IOCから処分を受けた。
 「床に置いて」というかなり穏当な表現になっています。

■時事通信の場合
 時事ドットコム:銅メダル返還の訴え退ける=レスリング
 http://www.jiji.com/jc/c?g=spo&rel=j7&k=2009021600942
 アブラハミアンは五輪で準決勝の判定を不服とし、表彰式の最中にメダルを捨てるようにして引き揚げ、国際オリンピック委員会(IOC)から失格とメダル剥奪処分を受けた。
 「捨てるように」だと少々乱暴であったような印象を受けます。ところでアブラハミアンが要求していたのは「失格処分の取り消し」であって、メダル剥奪処分については触れていなかったのではないのでしょうか。

■サンケイスポーツの場合
 メダル投げレスリング選手の訴え却下 - スポーツ - SANSPO.COM
 http://www.sanspo.com/sports/news/090216/spq0902162058007-n1.htm
 準決勝での判定を不服とし、表彰式でメダルを投げたアブラハミアンはIOCから処分を受けた。
 一方こちらは「投げた」とされています。見出しでも「メダル投げ」となっていますから、「投げた」と強調したいのでしょうか。

■映像で確認してみよう
 Youtubeで動画を探してみました。
 http://www.youtube.com/watch?v=bLf2ROyqu-Q

 映像では手元が写っていないで、よくわかりませんでした。少なくとも勢いよく飛んで行ったわけではなさそうですが、これは何と呼ぶのが適切なのでしょうか。

■試合の映像も発見
 試合の映像も見つけました。赤がイタリアのミングッツィ、青がアブラハミアンです。
 http://www.youtube.com/watch?v=6dHrmwSf2Nk

 一度見てみたいと思っていたのですが、第2ピリオド終了直後にどうしてミングッツィにポイントが入ったのかは結局よくわかりませんでした。レフェリーは青のポイントだとしていたようですが、別の場所から見ていた2名の審判(「ジャッジ」と「マットチェアマン」)には何かが見えていたのでしょうか。やっぱり釈然としません。とりあえず、私が試合で笛を吹くことが無理なのは良くわかりましたが。

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