今年も天皇杯が終わりました。優勝候補の選手が何名か欠場することになっていたので寂しい大会になるかと思っていたのですが、予想に反して色々と大変なことになっていたようです。

 まずは1日目の結果から気になったところを紹介させてもらいましょう。
 http://www.japan-wrestling.jp/New08/308.html

■フリースタイル74kg級
 昨年準優勝の高谷惣亮が病気で欠場することになってしまいました。更には優勝候補の長島和幸と高橋龍太がいきなり1回戦から激突しています。高橋は長島に勝ったことがあるのですが、今回は接戦の末に長島が勝ちました。決勝は、どちらも世界選手権代表経験のある長島と萱森の試合になりましたが、長島が勝ち4連覇を達成しています。終わってみると順当な結果だったのかもしれませんが、高谷の欠場と1回戦の組み合わせには驚きました。

■グレコローマンスタイル84kg級
 国内では敵なしだった松本慎吾が今回はフリースタイルに出場していたので、本命不在の状態でした。斎川哲克が優勝しましたが、今後はどうなっていくのでしょうか。これからが楽しみな階級です。

 続いて2日目
 http://www.japan-wrestling.jp/New08/297.html

■フリースタイル66kg級
 北京五輪代表の池松和彦と、6月の明治乳業杯で優勝した小島豪臣との一騎打ちかと思われましたが、二人とも準決勝で敗れてしまいました。 (訂正:小島豪臣は負傷により棄権したため、準決勝は不戦敗でした。) 二人を破った決勝戦に進出した選手はどちらも学生です。若い選手ですから今後が期待できそうです。

■フリースタイル96kg級
 グレコローマンスタイル84kg級で9連覇していた松本慎吾が、フリースタイルにエントリーしてきました。日体大コーチとして活動していくにあたり、フリースタイルの試合も経験しておきたいと考えたそうです。本来の階級より1階級上げているだけでなく、フリースタイルの試合は10年ぶりとのことなので流石に苦しいのではないかと思ったのですが見事に優勝してしまいました。ニュースで少しだけ試合の映像が流れたところを見たのですが、「これってグレコの試合?」と思うような攻め方をしていました。2回戦は苦戦したようですが、それ以外は圧勝と言える勝ち方でした。第一線からは退くようなことを言われていますが、まだまだやれるんじゃないかと思わせてくれます。まったく恐ろしい人です。

 残すは最終日です
 http://www.japan-wrestling.jp/New08/287.html

■フリースタイル55kg級
 北京五輪銀メダルの松永は出ません。ならば国内No.2の田岡秀規が勝ち上がるかと思ったのですが、2回戦で清水聖志人に敗れてしまいます。その清水も、準決勝で稲葉泰弘に敗れています。ところが決勝では、その稲葉を破って湯元進一が優勝しました。

■フリースタイル60kg級
 北京五輪銅メダルの湯元健一が腰痛のため棄権してしまいました。ならば湯元と最後まで五輪代表を争った高塚紀行が優勝かと思ったのですが、高塚は2回戦で負けてしまいました。優勝したのは、高塚に勝った前田翔吾です。相変わらず混沌とした階級ですね。

 さて、今回の天皇杯の映像がレスリング協会の公式ページで現在公開中です。今回はテレビ中継もありませんでしたから、かなり助かります。年末の休みを利用して、ゆっくり見ることにさせて頂きましょう。

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