モラルがあれば何でもできるのか?
2008年11月12日 時事ニュース コメント (9)「妊婦受け入れ拒否、夫が再発防止訴え」 News i - TBSの動画ニュースサイト
http://news.tbs.co.jp/20081110/newseye/tbs_newseye3990867.html
患者の受け入れが困難になっているのは、「人が足りないしお金もない」というのが大きな理由だと思っていたのですが違うのでしょうか。IT技術とやらで本当に解決できるのか、一体どうやって解決するのか、さっぱり見当がつきません。
それよりもっと酷いのが 「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思いますよ。忙しいだの、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない」という二階大臣の発言です。「モラルがあれば何でもできる!」とでも言いたいのでしょうか。きっとモラルのある医師は、腕が6本に増えたり、2人に分身することができたりするのでしょう。あるいは不眠不休で働き続けても平気だったりするとか・・・。いるわけありませんね、そんな人。
過労死・自殺が相次ぐ勤務医、ずさんな労務管理が横行、2割が過労死ライン(2) | 社会・政治 | 投資・経済・ビジネスの東洋経済オンライン
http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/1efebc6515f7797a8ec4ce2d466acb36/page/2/
これでもまだ「モラルの問題」なんてことが言えるのでしょうか。まさか過労死するまで働けなんて言いませんよね。ところでこの発言を聞いた舛添大臣は、どう思ったのでしょう?発言に対する舛添大臣の見解に興味があります。
尚、日本医師会や全国医師連盟は二階大臣の発言に対して抗議しています。
「医者のモラルの問題」―経産相発言に全医連が抗議 -医療介護CBニュース-
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19120.html
経産相発言は「責任転嫁」―日医 -医療介護CBニュース-
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19131.html
中江兆民 著『三酔人経綸問答』(岩波文庫)を何年か前に読んだことがあるのですが、現代語訳版の目次には「南海先生は現実世界の地理をご存知ない」と書いてありました。今回の場合は、 「二階先生は現実世界の医療をご存知ない」とでも言うべきでしょうか。
最後に、この件に対して2ちゃんねるで面白いコメントがあったそうなので紹介させてもらいます。
【政治】 二階経産相「妊婦受け入れ問題、『人が足りない』は言い訳」「医師のモラルの問題」…舛添厚労相「IT活用で対策を」★2
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1226323113/
[追記]
二階大臣は発言の撤回と謝罪をしたそうです。
経産相が発言撤回し、謝罪 妊婦拒否「医者のモラル」 - 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/CN/200811/CN2008111301000459.html
それにしても、二階大臣と会談していた舛添大臣は何も言わなかったのでしょうか。「それは誤解です」とその場で二階大臣に言ってくれたら良かったのに。
http://news.tbs.co.jp/20081110/newseye/tbs_newseye3990867.html
東京都内で相次いで明らかになった、妊婦の受け入れ拒否。三鷹市の杏林病院から受け入れを拒否された妊婦の夫がインタビューにこたえ、「二度とこうしたことが起きてはならない」と訴えました。
先週金曜日。東京の都立墨東病院には、意識不明となっている妻を見舞う男性の姿がありました。
「心配ですし、会いたいので来てるんですけど。『うん』とか言ってくれればうれしいが、(返事は)まだない・・・」(搬送拒否された妊婦の夫)
出産を間近に控えた男性の妻(32)が、異変を訴えたのは9月23日午前0時過ぎ。突然、嘔吐や右半身が動かなくなるなどの症状が出たといいます。
「(妻の体の)右側が全部、動かないような感じになってきていた。(医師は)脳の障害の可能性があると言っていた」(搬送拒否された妊婦の夫)
入院していた調布市の飯野病院の医師は脳出血の疑いがあると判断、午前3時ごろ、三鷹市の杏林大学病院に救急搬送を要請しました。
しかし、杏林大学病院は産科医が手術中だったことなどを理由に、受け入れを拒否。女性はその後、都内の5つの病院からも受け入れを断られ、4時間後、ようやくおよそ25キロも離れた都立墨東病院に搬送されました。
「(救急車の中では)早く着いてくれ、早く着いてくれと。体がなんとかもってくれと思っているだけでした。とにかく長く感じました。(病院に)着くまでは」(搬送拒否された妊婦の夫)
妻は病院で男の子を出産、その後、脳の手術を受けましたが、現在も意識が戻っていません。
「(妻に)一番最初に(息子を)抱かせてやりたかった。頑張った本人にはね」(搬送拒否された妊婦の夫)
今回のケースでは、最初に搬送を断った杏林大学病院側が「切迫感が伝わってこなかった」としているのに対し、飯野病院側は「脳障害であることは伝えており、切迫感は伝わっていた」と病院間での言い分が食い違っています。
また先月4日、墨東病院など都内の8つの病院に搬送を断られた36歳の妊婦が死亡したケースでも、病院の間で言い分が食い違っています。
病院同士の主張が食い違う今回の問題。舛添大臣はコミュニケーションがうまくいかない現状を、IT技術を駆使して解決できないかと、二階経済産業大臣と急遽、会談しました。
「お医者さん同士のコミュニケーションがうまくいっていない。IT技術を活用した形で、両省で協力しながら国民のためになる仕事をしたい」(舛添要一厚労相)
「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思いますよ。忙しいだの、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない」(二階俊博経産相)
2人の大臣はIT技術者にアイデアを出してもらい、大学病院で実験を行うことで一致しました。
「1日も早く(行政が)行動に移してほしい」(搬送拒否された妊婦の夫)
(10日17:35)
患者の受け入れが困難になっているのは、「人が足りないしお金もない」というのが大きな理由だと思っていたのですが違うのでしょうか。IT技術とやらで本当に解決できるのか、一体どうやって解決するのか、さっぱり見当がつきません。
それよりもっと酷いのが 「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思いますよ。忙しいだの、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない」という二階大臣の発言です。「モラルがあれば何でもできる!」とでも言いたいのでしょうか。きっとモラルのある医師は、腕が6本に増えたり、2人に分身することができたりするのでしょう。あるいは不眠不休で働き続けても平気だったりするとか・・・。いるわけありませんね、そんな人。
過労死・自殺が相次ぐ勤務医、ずさんな労務管理が横行、2割が過労死ライン(2) | 社会・政治 | 投資・経済・ビジネスの東洋経済オンライン
http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/1efebc6515f7797a8ec4ce2d466acb36/page/2/
医師の労働時間は長いと言われるが、実際はどうなのか。日本病院会による「勤務医に関する意識調査」(06年7月実施、61ページ上グラフ)では、2割以上の勤務医の労働時間(当直を除く常時)が「週64時間以上」となっている。40時間の法定労働時間を超える部分を月換算すると96時間以上の超過勤務だ。これは厚生労働省労働基準局が定めた過労死の労災認定基準(脳血管疾患および心疾患)に該当する。つまり、勤務医の2割以上が通常勤務だけで過労死ラインになるのである。
これでもまだ「モラルの問題」なんてことが言えるのでしょうか。まさか過労死するまで働けなんて言いませんよね。ところでこの発言を聞いた舛添大臣は、どう思ったのでしょう?発言に対する舛添大臣の見解に興味があります。
尚、日本医師会や全国医師連盟は二階大臣の発言に対して抗議しています。
「医者のモラルの問題」―経産相発言に全医連が抗議 -医療介護CBニュース-
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19120.html
全医連は、東京都内で妊婦が8病院に受け入れを断られて死亡した事例で、墨東病院の当直医が一人だったことが問題視されている点について、「当直医一人体制」は「人員や施設の不足によるもので、多くのNICUは慢性的に満床だ」と反論した。
また、日本産婦人科学会が行った産科医の勤務実態の調査結果などを示して、「産科勤務医は過労死認定レベルを超える長時間勤務を継続して行っている」と過酷な勤務実態を訴えた。その上で、「これを放置したままで『医師のモラルの問題』と切り捨てれば、産科医を志望する若者が減るだけでなく、相次ぐ産科医の離職に歯止めをかけることができなくなる」と批判した。
政府に対して、「いま取り組むべきことは、周産期医療の医療資源を増やす努力をすることだ。NICUや転出先病院の病床を整備しなければ、問題は解決しない」と人材不足問題の解決と労働環境の改善を強く求めた。
経産相発言は「責任転嫁」―日医 -医療介護CBニュース-
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19131.html
日本医師会の中川俊男常任理事は11月12日の定例記者会見で、二階俊博経済産業相が救急医療機関で妊婦の受け入れができない事例が相次いで明らかになっているのを受けて、「医者のモラルの問題」などと発言したとされる問題について、「システム上の問題を医師のモラルの問題に責任転嫁するのは大問題だ」と非難した。
この中で、中川氏は「過酷な医療現場で疲弊している医師に対して、石を投げるようなもの。あまりにも現場を見ていないと言わざるを得ない」と経産相を厳しく批判。
救急医療機関で妊婦の受け入れができない事例が相次いでいることについては、「小泉政権下から特に強まった医療費抑制政策の結果というシステム上の問題」との見方を示した。
中江兆民 著『三酔人経綸問答』(岩波文庫)を何年か前に読んだことがあるのですが、現代語訳版の目次には「南海先生は現実世界の地理をご存知ない」と書いてありました。今回の場合は、 「二階先生は現実世界の医療をご存知ない」とでも言うべきでしょうか。
最後に、この件に対して2ちゃんねるで面白いコメントがあったそうなので紹介させてもらいます。
【政治】 二階経産相「妊婦受け入れ問題、『人が足りない』は言い訳」「医師のモラルの問題」…舛添厚労相「IT活用で対策を」★2
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1226323113/
184 :名無しさん@九周年:2008/11/10(月) 23:10:11 ID:X1J6KGx+0うまいこと言いますね
2Fは3Fに対して5Fがあるんじゃないか?
[追記]
二階大臣は発言の撤回と謝罪をしたそうです。
経産相が発言撤回し、謝罪 妊婦拒否「医者のモラル」 - 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/CN/200811/CN2008111301000459.html
相次いだ妊婦受け入れ拒否をめぐり、民主党の足立信也参院議員は13日の参院厚生労働委員会で、二階俊博経済産業相が舛添要一厚生労働相との会談で「医師のモラルの問題」と発言したとして、その適否をただした。経産省幹部は二階氏が発言を撤回し「不愉快な思いをさせ、おわびする」と話していることを明らかにした。軽率な発言をしてしまうのも「政治家のモラルの問題」ですね。
足立氏によると、二階氏は10日、妊婦の容体などを各病院で共有する情報伝達システム開発について、舛添氏と話し合った際「忙しい、人が足りないというのは言い訳」などとして、医師のモラルに疑問を呈した。この発言を伝え聞いた日本医師会などが強く反発しているという。
経産省幹部は答弁で、二階氏が「今回のような悲しい出来事を二度と起こさないため、医師として専門的な立場から協力してほしいという趣旨だった」と釈明していることも伝えた。
2008/11/13 15:57 【共同通信】
それにしても、二階大臣と会談していた舛添大臣は何も言わなかったのでしょうか。「それは誤解です」とその場で二階大臣に言ってくれたら良かったのに。
コメント
足りないと意識不明の祖母に付き添って思いました。
日本全土で道徳教育をしなおさないとダメなんですかね?
それとも道徳の分野も法にしないとできないんですかね?
意味があるから分かれてても守れるはずだから「法」と「道徳」
は分かれてると思うのですけどね。
頑張っている医師ばかりでないことを知って(公立病院で)かな
り悲しくなりました。
しかし,モラルの低い者が社会的に高い地位にいるのは決して良い事ではないでしょう.大臣がこのような発言をすれば,仕事に誇りを持って働いていたモラルの高い医師たちもいづれ立ち去ることになるということに気がつかないあたりが情けないと思います.
公立病院の医師はかなり劣悪な環境で働かされている医師が多いと思います.今,残っているのは何かの事情で辞めることができない医師が多いのではないでしょうか.そういう医師たちは体だけでなく心も疲れきっています.そういう医師達も不幸ですが,そういう医師に診てもらう患者もまた不幸だと思います.こういう状況になったのも全ては厚生労働省ひいては今までの自民党政権の責任ではないでしょうか.
私が問題にしたいのはそれがこれから「医師」になろうとした
研修医だったからです。
誰でも医師になりたくてなれるわけじゃないはずです。
もちろん医師の仕事が肉体的にも精神的にも医師の平均寿命を
調べればハードだということはわかると思います。
もちろん私は政治家や官僚も悪いと思います。それ以前にそれら
の仕事に付くべき人が人としての「道徳」を踏まえていないと
とんでもないことになる。と危惧しているのです。
逆に祖母の入院してる常勤医師、病院全体としての医療の質は
数年前に比べ、よくなりました。
にもかかわらず数名の心無い研修医という常勤でない医師の行動
によってがっかりさせられてしまったのがとても残念でなりませ
ん。
マサムネさんのブログを拝見しました。確かにその医師の言動には問題がありそうです。
ところでちょっと確認させて頂きたいのですが、
>政治家は公人として、医師は医師として、人としてのモラルが足りないと意識不明の祖母に付き添って思いました。
ここでマサムネさんが「モラルが足りない」と仰ったのは、マサムネさんのご家族が会われた医師のことでしょうか?
二階大臣が言ったような意味ではありませんよね?
>こういう状況になったのも全ては厚生労働省ひいては今までの自民党政権の責任ではないでしょうか.
>もっとも,最終的にはそれを選んできた住民や国民にも責任があるのはもちろんのことです.
医療崩壊に向かっていく道を作ったのは政治家なのでしょうけれど、そういう政治家を選んだのは国民なのですよね。今まで医療崩壊に向かうことを容認してきた結果が、今になって現れてきたわけです。
それなのに「なんとかしろ!」と言うのは虫のいい話です。けれども間違いに気が付いたなら、何とか引き返せないものかとも思うのです。
それでも医師になるという人を数人みました。そういう志の人
たちを、今のギリギリの医療の中で頑張ってる人にミソクソに
働け!となんていいません。
ただ、人の命に深くかかわる医道を志すなら人としても立派で
あって欲しいと願うのです。
お答え頂きありがとうございます。ちょっと私が混乱しそうになったので確認させて頂きました。
医師だって人間ですから神様のような人を求めるのは無理なのでしょうけど、せめて普通の大人としての常識は持って欲しいですね。マサムネさんが経験されたケースは、そのくらいのレベルの話だと思います。