10月11~13日に、レスリングの女子世界選手権が行われました。場所が東京なので無理をすれば観戦に行くこともできたのですが、考えた末に結局は行かないことにしました。

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世界女子レスリング選手権公式サイト
http://japanwrestling2009.web.fc2.com/top.html

 「世界選手権」と名前が付いているのですから、本来は世界一を決める大会です。ところが出場メンバーを見るとゴルツやズラテバのようなトップクラスの選手はごく僅かで、世界一を決める大会としては寂しく見えました。北京五輪から今回の大会まで2ヶ月しかなかったことで、出場を見合わせた選手も多かったのではないかと思います。

 そもそも北京五輪が終わった後に、世界選手権で「世界一」を決めることに意味があるのでしょうか。今回の世界選手権開催に至った理由は、次のように説明されています。

2008年10月に東京で世界女子選手権を開催(日本レスリング協会)
http://jwf2007.kir.jp/New07/559.html
 これまで男子の世界選手権はオリンピックの開催年には実施されておらず、毎年開催していた女子も五輪採用が決まったあとの2004年アテネ五輪では実施されなかった。しかし五輪の女子が4階級しか実施されないため、日本協会ほかが7階級での世界選手権の開催を国際レスリング連盟(FILA)に要望。6月の理事会で日本開催が内定していた。このほど、財政面でのめどがつき、発表した。

 国際レスリング連盟(FILA)の副会長も務める福田富昭・日本協会会長は「五輪で実施されない3階級で世界一を決める機会がないのは不公平。かといって3階級だけでは世界選手権の体裁をなさないので、7階級で実施になる」と話した。
 確かに「五輪で実施されない3階級で世界一を決める機会がないのは不公平」というのはもっともな主張です。ですが7階級で世界選手権を実施してしまうと、五輪で実施されている4階級については世界一を決める場が1年で2回あることになってしまいます。それぞれ違う人が優勝すると、同じ年に「世界一」の選手が2人誕生してしまうことになります。これは変でしょう。また、今回のようにトップクラスの選手があまり出場しないのであれば、世界選手権を開催する意味がなくなってしまいます。

 坂本日登美や正田絢子のように、出場する階級を変更してでも五輪を目指す人がいるわけですから、五輪のある年に世界選手権を開催する必要はないように思います。どうしても世界一を決めるなら、3階級のみで行うべきです。もっとも、女子も7階級で五輪を実施してくれれば、こんなややこしいことにはならないのですけどね。FILAもIOCに対して要求はしているものの、なかなか認めてもらえないようです。まったく困ったものです。

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