脳科学と言うより「ノー科学」?
2008年7月9日 怪しい話 コメント (2)【秋葉原通り魔事件】暴発は脳の機能不全? 脚光浴びる脳科学 (1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080708/crm0807082159046-n1.htm
私は脳の仕組みに詳しいわけではありませんが、脳の異常が行動にも影響するというのは、何となくありそうです。ですが、それが「人を殺す」といった具体的行動と、すぐに結びつくとは思えません。そもそも脳の構造と行動の関係は、どの程度までわかっているのでしょうか。もし、はっきりしたことまでわかっていないのであれば、安易に飛びつくのは拙いでしょう。
格闘ゲームをする時は、何も考えていないかのような書かれ方です。相手の攻撃パターンや互いの攻撃が届く範囲、負けた場合には「どうすれば勝てるのか?」等と色々考えることはありそうなものですが。
そういえば、スポーツでも上級者になればいちいち考えずとも体が勝手に反応するようになると思うのですが、それとはどう違うのでしょう。色々とおかしなところがありますが、長くなりますので「ゲーム脳」及びそれに関する批判はWikipediaを参考にして下さい。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E8%84%B3
【秋葉原通り魔事件】暴発は脳の機能不全? 脚光浴びる脳科学 (2/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080708/crm0807082159046-n2.htm
「平成17年に脳科学の知見をまとめた報告書」とは、こちらのことでしょうか。(16ページ目に「扁桃体等の脳領域の機能不全は攻撃性を高める可能性があると考えられ、この関係に関する脳研究が重要である」とあります。)
↓
情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会について [報告書]−文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/05032201/003.pdf
この報告書の28ページを見ますと第3回会議の議題として
とありました。文部科学省の検討会でも「ゲーム脳」が取り上げられていたようです。
報告書の10ページ目には一応
とありましたので、森氏の主張を真に受けたわけではなさそうです。
それにしても「脳科学」と言いながら、科学かどうかも怪しいような「ゲーム脳」を持ち出すとは一体どういうつもりなのでしょうか。科学的であることを放棄しているなら、「脳科学」でなく「ノー科学」とでも言うべきでしょうか。
もしも仮に、「凶悪犯罪は脳の異常と密接に関係している」なんて結論が出たらどうなるのでしょうか。脳に異常が見つかったら、直ちに犯罪者扱いされてしまうのでしょうか。それとも強制的に治療を受けさせられるのでしょうか。何だか怖い世の中になってしまいそうです。
犯罪行為の原因を脳科学の面からアプローチすることは、一つの手段ではあると思います。だからと言って、「全ては脳に異常があるから悪いのだ」という考え方にならないかと少し心配です。悩みやトラブルの種は、脳の異常とは関係なく存在しているのですから。
このニュースを読んでいると、科学的に考える気が本当にあるのかと疑問に思いました。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080708/crm0807082159046-n1.htm
8日で発生から1カ月となった東京・秋葉原の無差別殺傷事件の加藤智大(ともひろ)容疑者(25)ら若者の暴走による凶悪犯罪は、大きな社会不安となっている。加藤容疑者の場合、携帯サイトの書き込みに熱中しており、識者は「脳の機能不全が影響しているのではないか」と指摘する。相次ぐ凶悪犯罪に、文部科学省も年度内に設置する徳育に関する有識者会議で「脳科学」との関連性を検討していく考え。今後、脳科学研究が本格的に脚光を浴びそうだ。
私は脳の仕組みに詳しいわけではありませんが、脳の異常が行動にも影響するというのは、何となくありそうです。ですが、それが「人を殺す」といった具体的行動と、すぐに結びつくとは思えません。そもそも脳の構造と行動の関係は、どの程度までわかっているのでしょうか。もし、はっきりしたことまでわかっていないのであれば、安易に飛びつくのは拙いでしょう。
『ゲーム脳の恐怖』の著書がある森昭雄日本大教授は「人を殺すことの善悪がつかないのは記憶、感情などを司る前頭前野が機能障害を起こしているからではないか。同種の事件は今後増えるだろう」と懸念。「茨城県土浦市の8人殺傷事件の容疑者はゲーム中毒だった。格闘ゲームをはじめとしたゲームは反射神経で反応するだけで、思考能力が働かなくなる。凶悪犯罪を起こした容疑者の脳の状態を科学的に分析する必要がある」と指摘する。
格闘ゲームをする時は、何も考えていないかのような書かれ方です。相手の攻撃パターンや互いの攻撃が届く範囲、負けた場合には「どうすれば勝てるのか?」等と色々考えることはありそうなものですが。
そういえば、スポーツでも上級者になればいちいち考えずとも体が勝手に反応するようになると思うのですが、それとはどう違うのでしょう。色々とおかしなところがありますが、長くなりますので「ゲーム脳」及びそれに関する批判はWikipediaを参考にして下さい。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E8%84%B3
【秋葉原通り魔事件】暴発は脳の機能不全? 脚光浴びる脳科学 (2/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080708/crm0807082159046-n2.htm
文科省は既に「脳科学」について検証している。平成17年に脳科学の知見をまとめた報告書で、(1)興奮抑制作用があり脳の海馬(かいば)の近くにある「ベンゾジアゼピン受容体」の機能不全が、子供がキレる現象に関係がある(2)側頭葉の内側にある扁桃(へんとう)体の機能不全が攻撃性を高める可能性がある−との学説の重要性を確認。さらに解明すべきだとした。
「平成17年に脳科学の知見をまとめた報告書」とは、こちらのことでしょうか。(16ページ目に「扁桃体等の脳領域の機能不全は攻撃性を高める可能性があると考えられ、この関係に関する脳研究が重要である」とあります。)
↓
情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会について [報告書]−文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/05032201/003.pdf
この報告書の28ページを見ますと第3回会議の議題として
?森 昭雄氏(日本大学文理学部教授)による発表
テーマ:「ゲーム脳について」
とありました。文部科学省の検討会でも「ゲーム脳」が取り上げられていたようです。
報告書の10ページ目には一応
さらに、最近顕著となった携帯電話やインターネットによるコミュニケーションが子どものこころの発達に及ぼす影響についてはほとんど調べられていない。
このような高度情報化社会における各種メディアからの情報の氾濫、テレビやゲーム、携帯機器、インターネットによる他者とのコミュニケーション等が子どもの精神的発達や脳の発育等に及ぼす影響については、その実態及びメカニズムは不明であり、今後の一層の研究の進展が必要である。
とありましたので、森氏の主張を真に受けたわけではなさそうです。
それにしても「脳科学」と言いながら、科学かどうかも怪しいような「ゲーム脳」を持ち出すとは一体どういうつもりなのでしょうか。科学的であることを放棄しているなら、「脳科学」でなく「ノー科学」とでも言うべきでしょうか。
もしも仮に、「凶悪犯罪は脳の異常と密接に関係している」なんて結論が出たらどうなるのでしょうか。脳に異常が見つかったら、直ちに犯罪者扱いされてしまうのでしょうか。それとも強制的に治療を受けさせられるのでしょうか。何だか怖い世の中になってしまいそうです。
犯罪行為の原因を脳科学の面からアプローチすることは、一つの手段ではあると思います。だからと言って、「全ては脳に異常があるから悪いのだ」という考え方にならないかと少し心配です。悩みやトラブルの種は、脳の異常とは関係なく存在しているのですから。
このニュースを読んでいると、科学的に考える気が本当にあるのかと疑問に思いました。
コメント
・殺人と脳の異常を結び付けるのは短絡的過ぎないか
・「脳科学」という言葉を使いながら、「ゲーム脳」のように科学的とは言い難い主張を取り上げるのは無茶苦茶である。
・脳の異常に拘るあまり、差別のようなことにならないか
・犯行の動機について、悩みやトラブルといった犯行の背景にありそうなものについて顧みることなく、「脳の異常」という一言で片付けられてしまうことにならないか。
わかりにくくて申し訳ない。