いよいよ明日は明治乳業杯です。今回の見所は、なんといってもフリースタイル60kg級でしょう。

明治乳業杯全日本選抜選手権 各階級見どころ
http://www.japan-wrestling.jp/New08/673.html

フリースタイル60kg級は、この大会でオリンピック代表が決まります。当然、最後のチャンスとあっては誰もが気合十分でしょう。誰が勝つのか予想がつきません。湯元健一と高塚紀行が一歩リードしているものの、大沢茂樹も侮れません。他にも井上謙二、清水聖志人、大館信也といった実力者が揃っています。などと選手の名前を並べてみたところで、レスリングに興味のない方にとってはさっぱりわからないかもしれません。

そういえば、この階級でオリンピックを目指していた選手の中に、レスリングをよく知らない人でも聞いたことがありそうな選手が一人いたのですが、その人はどうなったのでしょうか。オリンピック代表争いもいよいよ最後のチャンスになったというのに、最近ちっとも話を聞きません。

レスリングから総合格闘技の道に進み、昨年1月の天皇杯で約7年ぶりにレスリングに復帰した「あの人」です。今さらですが、これまでの経過を振り返ってみましょう。

レスリングでオリンピックを目指すことを表明した時には、たいそう話題になっていました。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/column/200607/at00009983.html

おかげで2007年1月の天皇杯は、今までにないほどの注目を浴びた中で行われました。最終日は有料であったにも係わらず、観客席はほぼ満員でした。さて、肝心の結果ですが1回戦は勝利したものの、2回戦でフォール負けを喫してしまいます。更にこの時、右ひじを脱臼してしまいます。
http://jp.youtube.com/watch?v=weDOuc1cr9s
この試合が終わった直後から、席を立って出口に向かう人の姿が多数見られ、空席が目立つようになりました。

ちなみに対戦相手の井上謙二が仕掛けた投げ技(「巻き投げ」、「巻き込み一本背負い」などと呼ばれています)は、そのまま投げられてしまえば危険はないのでしょうが、投げられまいとして不用意に手を着いたために怪我をすることになってしまいました。相手を負傷させる目的の技ではありませんので誤解されませんように。
尚、私もこの試合を会場で見ていましたが、わざわざ飛行機に乗ってまで観戦に行ったのは、フリースタイル55kg級の松永と田岡の試合が見たかったからです。

天皇杯は2回戦敗退でしたがベスト8には残っていたので、その年の6月に行われる明治乳業杯の出場権を得ています。明治乳業杯で優勝した後、代表決定戦に勝てば世界選手権に出場することができました。さらに世界選手権で上位に入ればオリンピックに出場できることになっていましたので、まだチャンスはありました。

しかし明治乳業杯は、天皇杯での怪我を理由に出場しませんでした。
http://blog.krazybee.jp/?eid=398

これでオリンピックへの道が途絶えたかに見えました。

9月に行われた世界選手権には湯元健一が出場しましたが、1回戦で敗退してしまいオリンピック出場権は得られませんでした。これでオリンピック予選への代表選考は一旦白紙に戻り、再びチャンスが巡ってくることになりました。
http://www.nikkansports.com/sports/p-sp-tp0-20070920-258651.html
ところが2007年12月の天皇杯で再挑戦するかと思いきや、天皇杯には出場せず総合格闘技に専念するとの発表をします。どうやらオリンピック出場は断念したようです。
http://jwf2007.kir.jp/New07/449.html

一方、フリースタイル60kg級は「日本選手がオリンピックへ出場する権利」こそあるものの、未だに代表選手が決まっていません。最初に述べたように、明日の明治乳業杯で決定します。

もし、明日の明治乳業杯に出場していれば可能性はあったのでしょうが、出場選手の中に「あの人」の名前はありません。そもそも3月の明治乳業杯予選会に出場していませんから当然です。もはや完全に望みはなくなりました。

結局のところオリンピックへの挑戦は、2007年1月28日に出場した天皇杯全日本選手権が最初で最後になっています。

ところでこの前、FILAのDatabaseでこんなのを見つけました。
http://www.iat.uni-leipzig.de/datenbanken/dbwrest/daten.php?spid=4D0525DD050A46CE9DFA1AABB344EF3E

これは「あの人」と同一人物なのでしょうか?
カデット(当時のルールで15〜16歳)の世界選手権で、
1990年 40kg級 6位
1991年 47kg級 6位
という成績は、こちら↓と一致します。
http://jwf2007.kir.jp/New06/723.html

だけど名前は・・・

やまもと のりほみ?

[追記]
いつの間にか“Norihumi”に直してありました。一体何だったのでしょう?

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