WBCは日本が勝って本当に良かったです。同じ相手に3連敗では洒落になりませんから。それはさておき、昨日レスリングの「パンクラチオンスタイル」テストマッチが東京で行われました。残念ながら観戦にはいけませんでしたが、日本レスリング協会公式ホームページ内にて大会の様子が紹介されていましたので、それについて思うところを書いてみようと思います。
パンクラチオンスタイルテストマッチについて↓
http://www.japan-wrestling.jp/New06/912.html
「パンクラチオンスタイル」とは、新しいレスリングのスタイルとして日本が提案しているものです。既存の「グレコローマンスタイル」、「フリースタイル」が相手をフォール(相手の両肩を1秒以上マットにつけた状態で押さえ込むこと)することで勝敗を決するのに対し、「パンクラチオンスタイル」は締め技・関節技で相手をギブアップさせることで勝敗を決します。古代ギリシャの格闘技「パンクラチオン」は、締め技・関節技を含んだ組技と打撃による格闘技でしたが、「パンクラチオンスタイル」では組技のみで戦います。
ちなみに、グレコローマンスタイルは下半身への攻撃が禁止されており、フリースタイルでは下半身への攻撃も認められています。ただし、どちらも締め技と関節技は禁止されています。
パンクラチオンスタイルは、今のところ国際レスリング連盟では採用されていませんが、将来的にはオリンピック種目となることを目標としているそうです。レスリングの幅が広がり発展するならば大変結構なのですが、少々心配なこともあります。総合格闘技に興味のある人がパンクラチオンスタイルでレスリングを始めることにより、レスリングの競技人口が増えるのではないかという期待はありますが、その一方で既存のフリー・グレコローマン両スタイルの人口が減ってしまうのではないかと懸念しています。「魅力が薄い」というならそれまでかもしれませんが、私が最も恐れているのは「レスリングのイメージが変わってしまう」ということです。
レスリングは「人類最古の格闘技」と言われていますが、現在までの歴史の中でなるべく危険な要素を排除していくことで、「スポーツ」という形をとっています。締め技・関節技が禁止であったり、マットの上で試合をすること等がこれに当ると思います。特に少年レスリングについては、危険のないよう配慮されたルールになっています。このことにより、指導者の皆さんは「レスリングは危険ではない」ということをアピールしてきました。ところがパンクラチオンスタイルの登場によって、誤解を招くのではないかと心配しています。不幸なことに日本でのレスリングの知名度は低いため、レスリングのルールを大まかにでも知っている人は少ないかと思います。「プロレスとどう違うの?」と言う人も時々います。そんな中で、「レスリング」でありながらルールが大きく異なる種目が存在すると、一般の人は混乱する可能性があります。また、パンクラチオンスタイルのみが大きく取り上げられた場合、「レスリングは危険なものである」というイメージを生む心配もあります。
理想的なのは、誰もが楽しめるスポーツであると同時に、「格闘技」としての魅力を残すことであると思います。非常に難しいかもしれませんが。
蛇足ではありますが、レスリングの発展を考えるのであれば、最初にすべきは数年に一度は行われるルールの改定をやめることだと思います。1924年パリ五輪から2004年アテネ五輪までの間に、試合時間に関する規定だけでも8回も変更されています。体重区分の変更や、その他細かい部分も含めれば結構な頻度になります。まずは、これをやめるべきでしょう。
パンクラチオンスタイルテストマッチについて↓
http://www.japan-wrestling.jp/New06/912.html
「パンクラチオンスタイル」とは、新しいレスリングのスタイルとして日本が提案しているものです。既存の「グレコローマンスタイル」、「フリースタイル」が相手をフォール(相手の両肩を1秒以上マットにつけた状態で押さえ込むこと)することで勝敗を決するのに対し、「パンクラチオンスタイル」は締め技・関節技で相手をギブアップさせることで勝敗を決します。古代ギリシャの格闘技「パンクラチオン」は、締め技・関節技を含んだ組技と打撃による格闘技でしたが、「パンクラチオンスタイル」では組技のみで戦います。
ちなみに、グレコローマンスタイルは下半身への攻撃が禁止されており、フリースタイルでは下半身への攻撃も認められています。ただし、どちらも締め技と関節技は禁止されています。
パンクラチオンスタイルは、今のところ国際レスリング連盟では採用されていませんが、将来的にはオリンピック種目となることを目標としているそうです。レスリングの幅が広がり発展するならば大変結構なのですが、少々心配なこともあります。総合格闘技に興味のある人がパンクラチオンスタイルでレスリングを始めることにより、レスリングの競技人口が増えるのではないかという期待はありますが、その一方で既存のフリー・グレコローマン両スタイルの人口が減ってしまうのではないかと懸念しています。「魅力が薄い」というならそれまでかもしれませんが、私が最も恐れているのは「レスリングのイメージが変わってしまう」ということです。
レスリングは「人類最古の格闘技」と言われていますが、現在までの歴史の中でなるべく危険な要素を排除していくことで、「スポーツ」という形をとっています。締め技・関節技が禁止であったり、マットの上で試合をすること等がこれに当ると思います。特に少年レスリングについては、危険のないよう配慮されたルールになっています。このことにより、指導者の皆さんは「レスリングは危険ではない」ということをアピールしてきました。ところがパンクラチオンスタイルの登場によって、誤解を招くのではないかと心配しています。不幸なことに日本でのレスリングの知名度は低いため、レスリングのルールを大まかにでも知っている人は少ないかと思います。「プロレスとどう違うの?」と言う人も時々います。そんな中で、「レスリング」でありながらルールが大きく異なる種目が存在すると、一般の人は混乱する可能性があります。また、パンクラチオンスタイルのみが大きく取り上げられた場合、「レスリングは危険なものである」というイメージを生む心配もあります。
理想的なのは、誰もが楽しめるスポーツであると同時に、「格闘技」としての魅力を残すことであると思います。非常に難しいかもしれませんが。
蛇足ではありますが、レスリングの発展を考えるのであれば、最初にすべきは数年に一度は行われるルールの改定をやめることだと思います。1924年パリ五輪から2004年アテネ五輪までの間に、試合時間に関する規定だけでも8回も変更されています。体重区分の変更や、その他細かい部分も含めれば結構な頻度になります。まずは、これをやめるべきでしょう。
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